滝の水が無くならないのはなぜ?自然現象解明シリーズ12
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スタッフ名:岩崎春平
皆さんこんにちは!いつも休暇村帝釈峡のスタッフブログをご覧いただき誠にありがとうございます!本日は自然現象解明シリーズ第12弾。「滝の秘密」について説明します。
滝
滝は日本、世界の各地に点在しており観光地として親しまれています。
では滝とはどのようなものでしょうか?
滝の定義
一般的に「滝」とは河川や湖の一部が段差になっており水が落下している場所を指しています。しかし、この定義を参照すると莫大な量の滝が存在することになります。
そこで国土地理院の定義によると、”流水が急激に落下する場所で落差が5m以上、常時水が流れていること”とされていますが、まだ抽象的なような気がします。
もう少し補足すると、①落ちる水は湧水もしくは自然の川であること、②水流が常時あること、③人工的に作られたものは含めないこと、です。
滝の分類
上記の定義を参照しても世界中には多くの滝が存在します。
そこで滝の水量や出来方、種類による分類が存在するので紹介します。
⑴水量による分類
1つ目は水量による分類です。
これは、流れ落ちる平均水量を対数で10段階に分類するもので、世界の滝といわれるもの全てが対象となります。簡単に説明すると、滝の平均水量を10段階で示したものです。
例えば、落水量世界一のナイアガラの滝が10、落差世界一のエンジェルフォールが7といった具合に流れ落ちる水量による比較・分類となります。
⑵形成過程による分類
2つ目は滝のでき方(形成過程)による分類です。
a. 湧水型:洞窟の湧き水や泉が壁面に湧き出てその段差として形成された滝のこと
・日本の滝100選「真名井の滝」等
b. 溶岩遮断型:火山などの溶岩流もより川が堰き止められその出口として形成された滝のこと
・日本の滝100選「華厳の滝」等
c. 断層型:地震などの影響で断層が生じることで形成された滝のこと
・日本の滝100選「乙字ヶ滝」等
d. 浸食型:川の浸食により、岩盤が削られることで形成された滝のこと
多くの滝は浸食型であり川の浸食によって形成されることが多いとされています。
⑶滝の種類
a. 直瀑:落ち口から滝壺まで一気に落下する滝
b. 分岐瀑:落ち口からいくつかに分岐して流れる滝
c. 段瀑:2段、3段など階層がある滝
d. 潜流瀑:地下水が崖の途中より直接落ちて流れる滝
e. 渓流瀑:岩肌の上を滑るように流れる滝(ある程度の高低差があるもの)
f. 海岸瀑:海岸の崖の上に落ち口があり、海に直接落ちる滝
滝の水が無くならないのはなぜ?
滝の定義や分類について説明しました。ここからが本題です。
滝の定義にありました、常時水流があることとありますが、なぜ常時水が流れるのでしょうか。
答えは簡単です。それは”水が循環しているから”です。
滝から流れ落ちた水は川となり海まで運ばれます。海まで運ばれた水は海上で蒸発し雲ができます。
蒸発した水を含んだ雲が風により大陸に運ばれ、雨を降らします。降った雨は植物などにより土壌に蓄えられます。蓄えきれなくなった水は斜面を流れ低いくぼみや川に流れます。流れた水が再び滝となり流れ落ちます。
といったように水の循環により滝の水がなくならず、常時流れることが可能になっています。
滝の水が無くなることはあるの?
では、上記の循環がなくなるとどうでしょう。
結論から言うと、滝の水が無くなります。滝の水というよりは川の水が無くなり滝から水が流れなくなります。
日本は梅雨による降水や降雪による雪解け水などが要因となり現在滝と呼ばれているものが無くなることは滅多にないとは思いますが、世界的には異常気象や干ばつにより川の水が無くなることは考えられます。
いかがだったでしょうか。
日本には数多くの滝が存在しています。
その分類や秘密を知れば滝の見方が大きく変わるかもしれません。
ぜひ、滝に訪れる際はこちらの知識を蓄えていってみてください!
下記より過去の解明シリーズもご覧いただけます。
これであなたも自然マスターになれるかもしれません。
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