食べ過ぎ注意!?クセになる美味さ【さわやかな香りの伝統食】
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スタッフ名:遠藤 あき
庄内の5月と言えば笹巻き!
「笹巻き」とは、浸水後に水切りしたもち米を笹の葉で巻き、結びひもをかけた後、熱湯でゆで上げた食べ物です。ほかの県では「ちまき」とも呼ばれています。
笹の葉には防腐性や抗菌性があるといわれていて、昔から保存食や携帯食の包装によく使われる材料ですが、笹巻きに関してはその笹の香りも味わいの大きな役割を担っています。
山形県では、年越しや正月、祭りや祝い事など、年間を通してよく餅をついて食べます。こうした餅文化は米どころであればそう珍しくはありませんが、もち米を粒のまま使用する「笹巻き」は、その中でも珍しい郷土食として知られています。
鶴岡など南庄内に多く見られるのが【黄色い笹巻き】
笹巻きを煮るときに灰汁を入れるとぷるぷる・もちもち食感の黄色い笹巻きに。戊辰戦争をきっかけに保存食として伝わったという説があるそうです。
北庄内に多いのが【白い笹巻】
何も入れずに煮ると白い笹巻きに。米の粒感も楽しめ、黄色とは違ったもちもち食感と食べ応えです。
~笹巻きの食べ方~
【黄色】も【白】も、一般的には青きなこと黒みつでいただきます。
ポイントはきなこが黄色ではなく「青きなこ」であること!
全国的にも有名な「秘伝豆」のきなこは特におすすめです!!
食べ方としてはわらびもちのような感じですが、各家庭で食べ方も様々。
ちなみに庄内生まれ庄内育ちの私は、黒みつではなく「黒砂糖×青きなこ」の組み合わせで育ちました。
上白糖と多めの黒砂糖を混ぜた状態のきな粉を【白】笹巻きに大量にまぶして食べるのが何とも贅沢!
黄色の笹巻きは大人になってから知りました。。。
やっぱり地域や家庭によって違うものなんですね~
とは言え、どちらもそれぞれの良さがあって美味しいことは間違いないです!
春に欠かせない伝統食
「笹巻き」は、昔から柏餅と同じく端午の節句で食べられていた行事食なのだそうです。
昔は、雪の多い山形県では上巳の節句、端午の節句をひと月遅れで祝うことが多く、笹の葉が大きくなる5月末から6月ごろが笹巻きをつくる時期でもありました。
現在はひと月遅れで節句を祝うことは減り、笹の葉も一年中手に入りやすくなりましたが、手間のかかる料理でもあるため、手作りしている家庭も少なくなってしまいました。
各家庭で作ることはできなくとも、毎年この時期になると地元のスーパーマーケットや産直等の店頭に笹巻きが並ぶので、期間限定でも手軽に食べられるのは嬉しいですね(^^)
皆様も庄内にお越しの際は是非召し上がってみてはいかがでしょうか?
保存食ですので、もちろんお土産やご贈答にもおすすめです!