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2021.12.01

庄内『大黒様のお歳夜』

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スタッフ名:田中愛菜

12月9日 庄内地方【大黒様のお歳夜】

七福人の一人として知られる大黒天。
米俵の上に乗り打出の小槌を持ちながら微笑んでいる福耳の神様です。
山形県庄内地方ではこの大黒天を祀る年中行事があります。
それが12月9日に行われる「大黒様のお歳夜(おとしや)」です。
 

大黒様のお歳夜ってなに?

お歳夜とは神様の年越しを祝う日の事です。
12月9日は『まっか大根』と『米炒り』を大黒様に供え、豆料理と大根料理を食べてその年の収穫を感謝し子孫繁栄を祝います。また、大黒様が妻を迎える夜とも言われ、畑の作物を代表する豆と大根をお供えすることで大黒様が農業の神様として信仰されていることを意味します。
最近では庄内の方でもお家で大黒様の料理を食べたことがない、大黒様ってなに?という声もちらほら……
 
大黒様にお供えする料理にはちゃんと意味があります!
大黒様のお歳夜でお供えする品・ご馳走をご紹介しましょう。
『まっか大根』
まっか大根とは二股に分かれた大根のこと。まっか大根には地域によって様々なエピソードが残っています。大黒様が餅を食べすぎて苦しんでいたところ、道ばたで大根を洗っている娘を発見。大根が消化に良いと知っていた大黒様は「大根を分けてほしい」とお願いをしました。しかし姑から大根の本数を数えられているため分けてあげられず困っていたところ、まっか大根の一方をかき取って渡すことが出来大黒様の腹痛が治ったというお話から来ているそうです。
また、見た目が色っぽく見えるからでしょうか。まっか大根が大黒様の奥様という説もあるそうですよ。
 
『米炒り』
大黒様が米俵に乗っているところからきているのか、『米炒り』という米菓子もお供えします。
昔は行商の人達が俵型の飴を縁起物として売りに来たこともあったそうです。

次にご馳走を紹介します。
  • 黒豆ご飯
    黒豆なます
    納豆汁
    焼き豆腐の田楽
    ハタハタの田楽        の5品です。
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ごらんの通り、豆を使った料理が多いです。
田楽にも味噌を塗っているので、全ての料理に豆を使っています。
これには「家族がまめ(丈夫)に暮らせるように」との想いが込められています。
 
『黒豆ご飯と黒豆なます』
お米、大根それぞれに黒豆の色素がにじみ出て、キレイな赤紫色になります。

『ハタハタの田楽』
子持ちのハタハタを食べることで子孫繁栄の願いが込められています。
甘味噌をつけて焼いたハタハタの卵はプチっとした歯ごたえのある食感です。
庄内地方は日本海に面している為、地域によっては鮭料理や生魚を一緒にあげるところもあるそうです。
 
『納豆汁』
納豆をすりこぎでする作業からはじまります。つぶつぶがなくなりなめらかになるまですり続けるのは大人でも時間がかかり一苦労。豆腐とからとりいもの茎、山菜、きのこが沢山入っています。
個人的に山形の郷土料理の中で一番好きです。(納豆好きなので…)
 
『焼き豆腐』
田楽は水切りした豆腐を焼き、甘味噌を塗り再びじっくりと焼きます。祖母から話しを聞くと、昔は豆腐も味噌も家で手作りだったと言います。
 
このように手間がかかるごちそうをまめ(苦労をいとわずよく働いて)につくれば大黒様から福が授かるともいわれています。
信仰のある生活が残っている庄内
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大黒様だけでなく、12月12日のお観音さまのお歳夜、12月17日の山の神のお歳夜などの風習が未だ根強く残る庄内。
これまで鶴岡出身でありながら、大黒様の意味をあまり理解していませんでした。
今回大黒様を学び、昔からの人々の願いである豊作と子孫繁栄の願いは、お祭り事だけでなく今もそれぞれの家庭で受け継がれていることを知りました。
 
風習を知る事は、より自分の住む地域を知るきっかけにもなり日々を楽しく暮らすことにも繋がります。今年は祖母と一緒に大黒様の料理を作ってみようと思います。
そして我が家では大黒様の料理を食べた後、ケーキを食べるという風習も変わらずに続いていくことでしょう。

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