丸岡町の”長屋橋地蔵”~手放してしまった娘と父親の悲しみ~
1,093 view
スタッフ名:杉森
~丸岡町に伝わる奇妙な伝説~
おはようございます。スタッフの杉森です。
今回ご紹介する伝説は~松屋びんつけと蛇聟~です。この伝説はかつて丸岡の城下町に、松屋という有名なびんつけ屋があり、そこで売られていたびんつけ油にまつわる奇怪な話が残されている。
”松屋の主人が娘のお絹を連れて、行商のために長屋橋を渡っていた時のこと。突然若い男に声を掛けられた。「そこにいる娘さんを嫁に貰えるなら、一夜にして大金持ちになれるびんつけ油作りの秘法を教えましょう」主人は驚いたが、美形の男の姿にお絹は満更な様子でもない。ならばと、急な申し出を承諾した。そして出来る限り盛大な婚礼を挙げたのである。”
”婚礼の夜、男は自分が長屋橋の下に棲む大蛇であると正体を明かした。”その橋がこの長屋橋と言われています。
続きはこちらです。
”両親はあまりの出来事に悲嘆に暮れるが、既にびんつけ油の秘法を教えてもらっているため、約束は破れないと泣く泣く娘の行く末を諦めたのである。店の裏にある池の水を使って作ると香りの良い油が出来るという秘法を教わり、松屋が売り出したびんつけ油は評判を呼んだ。そして男が言った通り、巨万の財を成すことが出来ました。”
だが娘のことを思うといたたまれない主人は、長屋橋を始めとして、丸岡の町から広がる街道沿いなどに地蔵堂を建て、娘の供養をおこないました。
長屋橋のたもとにある地蔵堂がそれであると伝えられている。また長畝橋のそば、丈競山の山頂にも、松屋の主人が建立した地蔵堂があります。
”松屋が大店を構えて数年後、丸岡の町を大火が襲った。間もなく松屋の店にも類焼しようかという時、いずこからか2匹の大蛇が現れて「水をくれ」と主人に言うや、木に巻き付いて水を吹き出して店の類焼を防いだという。しかしまた数年後に起こった大火の際、現れた大蛇に水を与えなかったために店は全焼。そして焼け跡から2匹の大蛇の遺骸が発見された。ほどなくして松屋は以前のような香り高いびんつけ油を作ることが出来なくなり、店を手放して没落していったという。”
何故か蛇ではなく龍の手水舎があります。ここは蛇でしょう。
また長屋橋からは、北陸新幹線の線路が見えます。新幹線も松屋の様にはならず発展して欲しいものです。
また、北陸にはこのように蛇に嫁いだ娘が何らかの商売の種を残していくというモチーフがあり、単に「長者になった」よりも一段実際の商いなどとつながり深く伝説を語る傾向があるそうです。
いかがでしたか今回の福井の伝説は。目の前の欲に考えもせず飛び付いてしまい、娘という大事なものを無くしてしまう。そして、その後父親は気づきますが、時すでに遅し。色々な事を考えさせられる伝説だと思いました。場所は何気ない所にありますが、嫁がせた父親の気持ちになって一度足を運んでみませんか。感慨深いものがあるかもしれませんよ。
「長屋橋地蔵」 福井県坂井市坂井町長屋36-14 休暇村越前三国より車で約20分