標高が上がると気温が下がるのはなぜ?自然現象解明シリーズ10
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スタッフ名:岩崎春平
皆さんこんにちは!いつも休暇村裏磐梯のスタッフブログをご覧頂き誠にありがとうございます。今回は久しぶりの自然現象解明シリーズです。
最近、山に登る機会が増え1つの疑問が生じました。標高が高いと太陽に近づいているはずなのになぜ山の上は気温が低いのだろう。
今回は標高が上がると気温が下がる謎を解明していきます。
太陽との関連
まず初めに太陽が地球の気温に与える影響を考えます。
太陽は地球に光と熱を与えます。
太陽から放射された光は地球上に届き地面を温めます。したがって、地面に近い低地の方が地面から遠い高地よりも暖かくなります。
鋭い方は気づきましたか。山の上にも地面があるではないか。そうしたら太陽からの熱が山の上の地面に届きその周辺が温められるのではないかと。
しかし、実際は山の上の方が、気温が低いため太陽の熱の反射はあまり関係していないことが分かります。
太陽と地球の距離は1億5千万㎞もあります。標高3000mの山に登っても太陽との距離はたったの3㎞しか変わりません。したがって太陽との距離による熱の反射は気温には関係ありません。
では、なぜ標高があがると気温が下がるのでしょうか。
気圧との関係
標高と気温の関係には気圧が関係しています。
気圧とは大気の圧力、すなわち空気の重さの総称です。
簡単に言うと高気圧は重い空気、低気圧は軽い空気です。
例えば、標高0mの場所にいる人間と標高3000mの場所にいる人間だと上にある空気の量が異なります。0mの場所にいる人は上にある空気が多いので重い空気(高気圧)、3000mの場所にいる人は上にある空気が軽い(低気圧)です。
このことから標高が上がると空気が軽くなる(周囲が低気圧になる)ことが分かります。
空気には圧力が下がると温度も低下する性質があります。
したがって、標高が上がると気温が下がります。
圧力と気温の関係
では、なぜ気圧が下がると温度も下がるのでしょうか。
気圧が下がると空気が膨張します。飛行機に乗った後にペットボトルや菓子の袋が膨張していたのを見たことがありますか。飛行機に乗り標高の高い場所(この場合は高度)にいったことにより、気圧が低下し空気が膨張しました。
この空気の膨張にエネルギーを使うため、気温を上げるためのエネルギーを失うことで気温が下がります。
したがって気圧が下がると空気が膨張し、その膨張にエネルギーが使用されることで空気を温めるためのエネルギーを失うため気温も低下します。
この気圧と気温の関係をボイル・シャルルの法則というみたいです。難しいですね。笑
山の気温
では、山と平地ではどのくらい気温が違うのでしょうか。
答えは簡単。標高が100m上昇する度に気温が0.6℃下がるみたいです。
なので平地で20℃の場合。標高3000mの山に登ると山頂では平地よりも18℃気温が下がります(0.6℃×3000m÷100m)。
いかがだったでしょうか?
今回は標高が上がると気温が下がる理由を解明してみました。
また、何か疑問に思う事があれば解決していきたいと思います。
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