床浦神社
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スタッフ名:大岡 辰弥
竹原は忠海。
小さな町の美しい海辺に、ひっそりと佇む古いお社がある。
忠海の無料駐車場から海沿いを、西に住宅街を歩き、細い小道を通り抜けると左の景色が開ける。
美しい海に目を奪われ、旅の疲れが吹き飛ぶようだ。
目線を左から右へ移すと、海面に建つ常夜燈が見える。ポツンと建つそれは、コンクリの桟橋の先端で、何かを待っている様だった。
更に目線を動かすと、岩場を穿たれ作られた建物と道、そして家屋が目に入る。
今は営業していないその石風呂屋は日本で最後の天然アマモ---瀬戸内海で取れる海藻---を使った石風呂だったらしい。
その右に、ゆったりとたたずむ目的の神社を見る。
二体の狛犬に守られて、海を静かに眺めるように建つお社は、古びてどことなく寂しげに見えた。
古くから、日本人の脅威であった疱瘡---天然痘---に効く神として多くの人々の信仰を集めたこの神社は、天然痘の根絶と共に役目を終え、海上を行く船を優しく見守っている様だった。
海が間近であるこの神社は、天然痘への効能が期待されただけでなく、海上大明神とも呼ばれ海の神としても親しまれたそうです。
元来は海から参拝するお社であるそうでして、同じような神社に、厳島があげられますが、いらっしゃる神様は別になるようです。