季節の変わりめとなる春と秋は、鳥たちにとって大切な“渡り”の季節。夏は繁殖地と越冬地を行き来する比較的遠距離の移動を“渡り”といいます。現在、日本では五百数十種の野鳥が確認されていますが、大半がこの渡りを経験し、多く鳥が伊良湖岬を通過します。その中でも特に壮大なタカの渡りは、10月初旬がピークで1日に数千羽もタカが大空いっぱいに、次々と対岸の志摩半島をめざして飛んで行くのが見られます。また、数の多いヒヨドリは100~500羽で大きな群れを作り帯状になったり、帯状になったり、ダンゴ状になったりしながら騒がしく飛び、その数は1日1万羽を超えることもしばしばです。この他にも北方の繁殖地で夏を過ごしたさまざまな鳥たちが時には幾百もの大きな群れで、時には1羽っきりでもくもくと南の国をめざして飛んで行く姿が 十分堪能できます。このようにタカを始めとする多くの渡り鳥が伊良湖岬を通過することがわかったのは昭和47年10月のことです。以来伊良湖岬は、渡り鳥の重要な中継地として注目されるようになりました。そして、さらに岬周辺の原生林は、渡り鳥たちの大切な休けい場所であることもわかりました。この時期は渡りを見に多くの方が訪れます。特に土・日は朝から駐車場の空きがないときもあります。双眼鏡を片手にほぼ同じ方向をみている人々。渡りのことを知らずに行くとUFO探し??見たいな光景が見られます。