斜面に美しく曲線を描く棚田は芸術作品
水田から青田、そして稲田と風景が変わる「田んぼ」は、お米の国「日本の原風景」と呼ばれる景色です。特に、山地の傾斜を切り開いて広がる棚田は、小さな田んぼが重なり、田植えを始める5月〜6月でも、収穫を迎える8月~9月でも、どの季節でも美しい景色を見せてくれます。
「くたぶれたらおいでん、癒されるに!」
「くたぶれたらおいでん、癒されるに」がキャッチフレーズの「四谷の千米田」。
愛知県新城(しんしろ)市の四谷地区にある鞍掛山麓(くらかけさんろく)の南西斜面、標高220~420mにかけて連なる石積みの棚田は、室町時代には既に田んぼがつくられていた記録のある歴史ある棚田です。なんと6mで1m上がる急傾斜が特徴で、日本の棚田百選、日本三大石積みの棚田のひとつに数えられています。
四谷の千枚田には悲しい出来事がありました。
1904年(明治37年)、梅雨の長雨と雨台風で山崩れが起こり、人も家ものみ込まれる大惨事が起きました。しかし、先人たちはこの不幸にもめげず棚田復興に全力を注ぎ、わずか5年ほどで堅牢な石積みの棚田に蘇らせました。
現在20戸の農家が約420枚(最盛期には1296枚)の田を耕作しており、先人たちが残した偉大な財産を風化させることなく、地域の人々が主体となって守り続けています。
鞍掛山の中腹からは、毎秒7ℓもの澄んだ水が湧いて棚田を潤し、様々な動植物の住処にもなっていて、昔から人と自然が共生しています。
一般的に、棚田で収穫されたお米は、甘みが抜群で非常に美味しいとされています。日当たりが良く、張られる水が清潔で、稲が根を深く張って地中のミネラルを吸収します。更に昼夜の気温差による水温の変化で稲がじっくりと育つため、お米の身が引き締まり、甘みが強くて美味しいお米へと成長するそうです。食べてみたいですね。
「四谷千米田」を訪れるのに便利なホテルは 休暇村茶臼山高原
まだまだあります!おすすめの棚田
石川県
1004枚もの田が連なる「白米(しろよね)千枚田」
輪島市白米町にある棚田です。日本海に面して、小さな田が重なり海岸まで続く絶景は、奥能登を代表する観光スポットとして親しまれています。一枚の面積は18㎡ほどで、最小の田は50センチ四方程度。農業機械が入れないため、今も田植え・稲刈りは地元住民やボランティアによる手作業です。
「白米千枚田」を訪ねるのに便利なホテルは「休暇村能登千里浜」
お次の棚田は
千葉県
「鴨川大山(おおやま)千枚田」
鴨川市内の山間部にある斜面を開墾した棚田で、大小様々な田が段々に連なる千枚田の景観は、1999年に農林水産省「日本の棚田百選」に認定され、2002年には千葉県の文化財・名勝に指定されています。
この大山千枚田の保全と活用をはかるため大山千枚田保存会が結成され、「大山千枚田棚オーナー制度」も発足されました。
「鴨川大山千枚田」を訪ねるのに便利なホテルは「休暇村館山」
いかにも夏らしい青々とした葉を茂らせた稲、稲刈りを待つ黄金色の田んぼと、
季節ごとに美しい棚田の風景を訪ねる旅、おススメです。