旅行の一つの楽しみに飛行機に乗ることを挙げる人もいるのではないでしょうか。JALやANAなどの大手航空会社だけでなく、LCCが登場してからは、価格帯や飛んでいるエリアの多様化が進み、飛行機はより身近な存在になりました。ここ数年乗る機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
最近ではどこかに行く手段として飛行機を楽しむのはもちろんのこと、空港自体が食事・買物を楽しむことができるエンターテイメント空間へと進化を遂げています。伊丹空港は2020年に約50年ぶりのターミナル大改修を終え、飛行機に乗らずとも遊びに行きたい空港に生まれ変わりました。また阿蘇くまもと空港では、2023年3月23日に新旅客ターミナルビルの開業を控えています。ちなみに休暇村大阪センターの「ゆっ旅ツアー」では、新設ターミナルビル開業日に阿蘇くまもと空港から伊丹空港へ搭乗するツアーを催行いたします。
飛行機に乗る、飛行機を見る、空港で遊ぶ、空港で働く人を見る、空港で働く車を見る・・・色々な楽しみ方がありますが、今回は添乗員として飛行機に乗るときにも役立つ、さらには飛行機をもっと楽しむことができるアプリをご紹介したいと思います。
-自分が搭乗する機材を調べる JAL・ANAアプリ
旅行へ出かける前にどんな機材なのかを知ることで、機内での過ごし方が大きく変わってきます。機内Wi-Fiが備え付けられている場合は、空の上でもインターネットを利用することができます。また座席前にモニターがない飛行機でも、機内Wi-Fiがあれば動画と音楽を楽しむことができ、リアルタイムでTV番組を視聴することも可能です。また座席にPC電源(コンセント)またはUSB電源が用意されている機材では、電池残量を気にすることなく機内エンターテイメントサービスを利用することができます。搭乗予定の機材を事前に調べておけば、せっかくUSB電源があるのに充電ケーブルはスーツケースの奥底で使えなかった・・・なんてことはなくなりますね。
LCCの場合は、機内エンターテイメントサービスや機内サービス(ドリンクサービス)を徹底的に排除することで低価格を実現しています。使用機材も中型機で航空会社毎に統一して導入されています(エアバスA320またはボーイングB737の機材です)。そのため、事前に機材を調べるよりも、機内で暇にならないよう本を持参したり、あらかじめ見たい動画をダウンロードしておくことの方が重要です。
JALアプリ
アプリを開いて空席照会で行先と搭乗日を入力します。今回は、5月29日に大阪伊丹空港を出発して青森空港に到着する便を参考に見てみます。エンブラエルE90またはE70という座席数の異なるジェット機で運行をするようです。
JALアプリでは、使用機材のところをタップすると機内座席配置を詳しく見ることができます。これが特に便利で、機材名を覚えてわざわざ検索する必要がありません。
ここでは飛行機の座席配置図を確認できますが、併せてクラス別シート仕様の欄をチェックしましょう。ここに機内Wi-Fiの有無が記載されています。E90は機内Wi-Fiはありませんが、スマートフォンがあればJALが提供する無料ビデオプログラムを楽しむことができます。
ANAアプリ
アプリを開いて空席照会で行先と搭乗日を入力します。今回は、5月20日に大阪伊丹空港を出発して福島空港に到着する便を参考に見てみます。便名の横に使用機材(Q84、CR7、738)が記載されています。Q84 はANAが所有するプロペラ機「ボンバルディア社DHC8-Q400」です。休暇村大阪センター主催のゆっ旅ツアーでも乗る機会が多い飛行機です。11:00発と12:55発はIBEXとのコードシェア便になるためボンバルディア社CRJ700で運行されます。738はボーイング社737-800です。
ANAアプリでは搭乗予定便を選択し、使用機材のところをタップすると機内座席配置を詳しく見ることができます。さらに下にスクロールすると、ANA Wi-Fi Service/パーソナルモニター/ワイヤレスエンタメ/PC電源(コンセント)/USB電源などのイラストが表示されています。使用できるものは青色のANAカラーになっているので一目でわかって便利です。
ANA国内線の場合、離陸から5分程度経過するとANA Wi-Fi Serviceが使用可能です。その際に、ANAアプリを長押しすると、国内線機内Wi-Fiに接続することができるので便利です。搭乗予定の機材を調べないとしても事前にダウンロードしておくのがおすすめです。
-飛行機がどこにいるのか調べる フライトレーダー24
Flightradar24(フライトレーダー24)は民間航空機の現在位置をリアルタイムに表示してくれるサービスのことです。これはアプリでもインターネットサイトからも閲覧ができますが、旅行の際にはアプリをダウンロードしておく方が良いでしょう。世界中で飛び回っている飛行機(旅客機に限らず貨物なども)の行先や到着時間などを調べることができます。さらに詳しく見たい飛行機をタップすれば、高度や速度、ルートなどの確認も可能です。自分の現在地を地図上に表示しておけば、空を見上げた時に見つけた飛行機がどこへ向かっているのか簡単に探すこともできます。
他にはこんな楽しみ方もあります。羽田空港を見てみましょう。世界でも有数の離着陸数を誇る羽田空港は、コロナ前では1日約1200回、1時間あたり最大80回も離着陸が行われていました。今でも夕方などのラッシュ時には離着陸ともに順番待ちをする飛行機で混雑します。特に上空では着陸の順番待ちをする【飛行機の行列】ができます。季節によって風向きが変わるのでそれに合わせて隊列の形が変わるのも見ていて飽きません。
-飛行機の見分け方
多くの方にとって、空港は非日常の空間だと思います。飛行機は他の乗り物にはない空からの視点で楽しむことができるのが魅力的。そんな飛行機の種類が少しでもわかるとさらに旅行が楽しくなるはずです。飛行機には大きく分けて、「ジェット機」と「プロペラ機」という2種類があります。ジェット機とプロペラ機は、外見が大きく異なるので簡単に見分けることができます。
ANAでは、ボンバルディアのDHC8-Q400機材が唯一のプロペラ機です。(伊丹空港にて)
JALではATR42またはATR72という機材も導入しています。(屋久島空港にて)
ジェット機よりも低い高度を飛行するため、天気のいい日にはまるで遊覧飛行のような体験も。(桜島上空)
プロペラ横の席から。プロペラは高速回転しているので視界をさえぎらず景色を楽しむことができます。(大阪上空)
上述のとおり、プロペラの有無を見ればジェット機とプロペラ機はすぐに見分けることができるのですが、難しいのはジェット機の見分け方です。ここからは完全な趣味の世界になるので、興味がある方はご一緒にお付き合いいただければと思います。ANAの機材を例に、簡易的にジェット機毎の特徴を挙げると以下の通りです。
大きさ |
機体そのものの大きさが異なります 例:B737(33.6m)<<<A380(73m) A380は縦2階建てのため見た目もわかりやすいです
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非常口 |
B767-300:翼の上に非常口が2つ |
翼 |
B737-700:翼の先が上向き A320:翼の先がチョキの形
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エンジン |
B737-800:エンジンの形が楕円形 B787:エンジンの噴出口側がギザギザ B777-200:巨大なエンジン A380:エンジン4発搭載
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機体のしっぽ |
B777-200:しっぽの先がすぼまっている |
少し補足ですが、表の中に出てくるA○○○やB○○○は航空機メーカーを表します。Aはエアバス(Airbus)、Bはボーイング(The Boeing Company)のことを指します。良く表現されるのは新参者のエアバス、老舗のボーイングといったところでしょうか。この表には登場していませんがE○○○というのが出てきたらエンブラエル(EMBRAER)のことです。
ANA飛行機の見分け方
B787-8/ロールス・ロイス社製のギザギザエンジンを搭載
-番外編 空港のツウな楽しみ方
空港ライブカメラというものをご存じでしょうか。全国の各都道府県にある空港、および飛行場の映像をネットで確認できるものです。離着陸の映像がリアルタイムで確認できるので迫力があります。羽田空港や成田空港など国際線も多く発着する空港だと、見慣れない機材がたくさんあるので、スマホひとつで海外旅行気分も味わうことができます。先述のアプリFlightrader24を使えば、どこから飛んできた機体なのかも併せて知ることができてより楽しむことができます。
この冬の時期に特におすすめなのが青森空港のライブカメラです。降雪はまだしも積雪となるとニュースになる九州育ちの私にとって、降雪や積雪が飛行機にとってどんな影響があるのか見当もつきません。真っ白な雪が吹きつける中、遠くから飛行機のライトが見え、それがだんだん大きくなり、横風にも負けず見事に着陸する様子はうっとりしていまいます。
“青森空港青森空港は全国でも有数の豪雪地帯にあり、雪の多い年では累計降雪量が10mを超えることもある空港です。民間航空機定期便が離発着する空港の中で、累計降雪量が10mを超える空港は、日本全国の中でも稀です。そのような豪雪の青森空港を支えているのが、複数社の共同企業体により編成される青森空港除雪隊ホワイトインパルスです。”(青森県ホームページより抜粋)
特にホワイトインパルスはその離着陸が安全にできるようにサポートするいわば縁の下の力持ち。またその作業員の過半数は農家のみなさんというのも推しポイントです。北国の空港では、農家が除雪作業員として活躍していることが多く、ホワイトインパルスの場合、約120人のうちの過半数が農家。冬の農閑期には地元の雪を熟知した方が作業にあたっていると思うと心強いですね。
ATV青森テレビ公式チャンネル青森空港ライブカメラ)