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2020.08.29

祝!朝ドラ「おかえりモネ」のロケ地に決定!【宮城県登米市】

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スタッフ名:阿久津

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おかえりモネ・はじめまして登米

2021年春、NHK前期連続テレビ小説「おかえりモネ」のロケ地となることが決まった登米市。

「おかえりモネ」は「海の町」気仙沼に生まれ育ち、「森の町」登米で青春を送るヒロインが、“気象予報”という「天気」にとことん向き合う仕事を通じて、人々に幸せな「未来」を届けてゆくという希望の物語。安達奈緒子さんの脚本によるオリジナル作品です。

登米市では、さっそく「おかえりモネプロジェクト推進協議会」を設立し、撮影などの協力体制をととのえ、観光振興と地域活性化を図るため13の団体が参加しています。登米市が盛り上がることは間違いなしですが、今回は登米市の特産品や、朝ドラのロケ地(に使われるかもしれない)登米市の見どころなどをご紹介します。
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登米にまつわるエトセトラ

「登米」と表記される宮城県の地名は、市を表す場合には「とめ」、町名としては「とよま」と呼ばれています。登米市登米町は(とめしとよままち)と呼びます。岩手県と宮城県の県境に接している登米(とめ)のお話。
 
古くは平泉の奥州藤原氏の影響が強い地域でした。鎌倉時代に入ると、源頼朝が平泉に侵攻し、藤原氏が滅亡すると登米市一帯は戦功のあった御家人が支配しますが、その後も数々の攻防戦が繰り広げられ1604年に伊達氏が米沢(山形)から岩出山(宮城)へ領地替えとなると、登米市一帯も伊達領となり登米伊達氏の城下町として繁栄します。登米伊達氏による統治は、明治維新まで13代300年にわたり続きました。明治に入ると北上川(きたかみがわ)の船運により、米穀の集散地として繁栄の道を進みました。

近代以降は、広大で平坦肥沃な県内有数の穀倉地帯として農業や酪農業、林業・木材産業などが主要な産業となっています。
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お米の代表的ブランド米であった宮城産「ササニシキ」

もうすぐ、店頭には全国の新米が並びますが、その昔、米といえば「東の横綱ササニシキ、西の横綱コシヒカリ」と言われ、お米の代表的ブランド米であった宮城産「ササニシキ」のお話。
 
最近、ほとんどその名前を耳にすることはなくなってしまいました。1993年に東北地方を大冷害が襲い、全国的にも台風や大雨などの被害を受け、米の備蓄が底を尽き、価格が高騰しました。「平成の米騒動」といわれ、私も、カリフォルニア米やタイ米などをスーパーで買った記憶があります。以前から冷害に強い品種「ひとめぼれ」を育ててはいたものの、作付けには消極的だった農家さんがこの状況を目の当たりにして「ひとめぼれ」の作付けをはじめ、1994年にはササニシキの作付け面積を超えるほどになりました。
 
ササニシキは純粋なうるち米。病気に弱く、肥料も難しい上に、収量が安定せず、「ササニシキを育てられたら、米農家として一人前」といわれるほど栽培方法が難しい品種の一つですが、ササニシキにこだわるお寿司屋さんは多く、口の中でフワッとほぐれる感じや、さっぱりした食味がネタを引き立てるという理由でササニシキを選んでいるようです。宮城のお寿司屋さんでぜひ味わってください。
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今年食べたいお米 「だて正夢」 のお話

そして2019年、宮城が誇るササニシキ誕生から55年、ひとめぼれ誕生から27年。美味しさで天下取りを目指す新品種「だて正夢」が登場しました。とびっきりのもちもち食感にこだわり、噛むほどに甘みがあふれ出る「だて正夢」はどんな料理とも相性抜群らしいので、今年店頭で見かけたら、ぜひ試したいお米です。
 
宮城の米どころ登米(とめ)は西部が丘陵地帯、北東部が山間地帯、その間は広大で平坦肥沃な県内有数の穀倉地帯で、宮城米「ササニシキ、ひとめぼれ」の主産地として有名な地域です。「だて正夢」作付面積も県内の14%を占めるほどの主要産地です。
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仙台牛はどこにいる??

仙台牛とは宮城県のブランド牛で、品種や生産技術だけでなく、格付けにも厳しい条件が付いており、「肉質等級5」限定の銘柄牛肉としては日本唯一となっています。

牛を育てるエサの基本は稲ワラだといわれており、良質な稲ワラを沢山与える事で、牛が元気にすくすくと育ちます。仙台牛は、清らかな水で育ったササニシキやひとめぼれなどの稲わらを贅沢に食べて育ちます。自然の恵みをからだいっぱいに吸収することで「仙台牛」の美味しさは作られています。国内最高級の品質は、農家さんの日々の努力の結晶とも言えます。

良質米が獲れる登米の豊かな自然環境とその稲わらは和牛の飼育環境に最適で、「仙台牛」と呼ばれる牛の約4割は、仙台市内から車で1時間ほどのここ登米で育っているのでした。
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百年続く森を目指して

登米市の総面積の4割は森林が占め、この森林のおかげで水源を確保し、山地災害を防ぎ、二酸化炭素等温室効果ガス削減の役割も担っています。森林組合では、適切な森林管理が行われていることを認証する「FSC森林認証」を取得し、東京オリンピック・パラリンピックの選手村ビレッジプラザへ認証材を供給しました。また、下刈り作業や間伐、除伐を繰り返しながら、再び森林に戻す「植林」も行っています。製材から製品化までを登米市内で完結するなど林業のあるべき姿を追求しながら、資源を有効に活用し未来に森林を託すための取り組みを行っています。
 
他にも、森の中で心を癒すリラクセーションプログラムや、身体のフィットネス・プログラムが体験できる「森林セラピー基地」にも認定されています。森林内は、スギやコナラなど、359種もの植物が確認された植生豊かな地で、四季折々の景色の変化が楽しめる8つのセラピーロードが整備されています。癒しの効果が科学的にも認められたお墨付きの森です。
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朝ドラのロケ地(になるかもしれない)登米の見どころ

廃藩置県によって誕生した登米町には、当時建てられた「旧登米高等尋常小学校(きゅうとよまこうとうじんじょうしょうがっこう)」や「旧登米警察署庁舎(きゅうとめけいさつしょちょうしゃ)」の洋風建築物や、「旧水沢県庁舎(きゅうみずさわけんちょうしゃ)」、蔵造りの商家など、明治期の建築が点在し、時間を超えたような街並みは人気のスポット。登米の城下町は「みやぎの明治村」と呼ばれています。

また、国内2番目にラムサール条約に登録(1985)された伊豆沼、内沼は、国内でも有数の渡り鳥の飛来地です。秋はマガンやコハクチョウが、11月にはオオハクチョウも飛来し、大声で鳴きながら寄ってくるので、賑やかな冬のひと時が楽しめます。

最後に

今回は「おかえりモネ」の舞台の1つ「登米市」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

登米市内には宿泊施設が少ないので、次回はもう1つの舞台である「気仙沼市」を宿泊施設とあわせてご紹介する予定です。