休暇村大阪センター主催の人気ツアーの1つに屋久島をめぐるツアーがあります。
屋久島と言えば何時間もかけて歩く縄文杉が観光地として有名です。そのため、屋久島に行ったら必ず長距離歩かなくては観光地へ行けないと思っている方が多くいらっしゃいますが、沢山歩かずとも十分に屋久島を満喫出来る観光名所があります。今回はツアーでも人気の歩く距離は少なく比較的楽に訪れることが出来る屋久島の観光名所をご紹介いたします。
●屋久島について
屋久島は本土最南端・鹿児島県佐多岬の南南西約60km海上にある、巨大な花崗岩からなる島です。周囲は約130㎞の円形の島で、中心には九州最高峰の宮之浦岳(1,963m)、宮之浦を囲う様に標高1,000m以上の山々が45座以上ある事から洋上アルプスと呼ばれています。そのため、集落のある地帯は亜熱帯気候ですが宮之浦岳付近は北海道のような冷温帯気候となり、島1つが日本列島全域の気候と植生の垂直分布の縮図となっています。道を歩いていても目に入る山々はどれも壮大です。
また、「ひと月に35日雨が降る」といわれるほど屋久島では雨が多く、この豊富な水を活かした水力発電によって島内のほとんどの電気がまかなわれています。
屋久島に行く際は雨が降って当たり前とお考えの上、旅の用意が必要です。
●屋久島への行き方
屋久島の観光名所をご紹介する前に屋久島への行き方について、少しご案内します。
屋久島に渡る交通手段は飛行機、高速船、フェリー、3つの手段があります。
飛行機の直行便は大阪(伊丹)空港・福島空港・鹿児島空港と屋久島空港間のみとなっておりプロペラ機で渡ることになります。ちなみに屋久島空港は着陸の最終判断をパイロットの方が目視で行うため、悪天候でなくても雲が厚く滑走路が見えない場合には、屋久島空港の上空で引き返すことがあります。そのため、とりあえず何としても屋久島に渡りたい方は鹿児島から高速船をご利用いただくのがお勧めです。
屋久島行の高速船は「種子屋久高速船株式会社」が運航しており、船の名前は「トッピー」と「ロケット」の2種類があります。元々、高速船の会社が2社あったため名前が2種類あり外観が異なりますが高速船には変わりありません。
運行ルートによって所要時間に変動がありますが、鹿児島(鹿児島本港南埠頭)~屋久島(宮之浦港または安房港)は約2時間から3時間、指宿(指宿港)~屋久島(宮之浦港または安房港)まで約1時間15分かかります。
高速船は揺れがひどいのではと思うかもしれませんが、高速船トッピーとロケットは水中翼船という通常の船体の下にもう一つ小さな船体があり、高速で進み始めると本体が水面から離れる構造になっています。この構造は本体が波に当たらないため通常の船よりも揺れが少なく酔いにくいです。
私は休暇村指宿に前泊したため、指宿港から高速船「ロケット」に乗船し屋久島・宮之浦港に渡りました。休暇村指宿から指宿港までは車で約5分です。
高速船情報
休暇村 指宿
フェリーは鹿児島(鹿児島本港南埠頭)~屋久島(宮之浦港)間を運行しており、1日1便、約4時間かかります。私はフェリーを使用したことはないので、ご興味のある方は下記のサイトをご参考にしてください。
フェリー情報
また、島内をツアーではなく個人で屋久島内をめぐる方はレンタカーがお勧めです。観光シーズンはレンタカーの予約が取れないとこもあるので、先ずはレンタカーの空き状況を確認してみてください。
●美しい永田いなか浜
屋久島で美しい海といえば「永田いなか浜」です。駐車場の目の前には真っ白な砂浜が約1㎞にわたって続き、花崗岩が砕けた粗い砂は素足でも足につきにくく、サラサラしています。こちらの砂浜はウミガメの産卵地として有名な砂浜です。ただし、ウミガメの産卵や孵化のシーズン5月~9月は夜間の浜への立ち入りが制限されています。(20時~翌朝5時)産卵の観察を希望の方は必ずウミガメ観察会に事前予約の上、ご参加ください。お昼間は浜への立ち入り制限はありませんが、卵を保護するためロープが張ってある所は侵入禁止となっています。ロープ内にはウミガメの卵があるので絶対に入ってはいけません。また、きれいな海を眺めていると泳ぎたくなりますが、屋久島の海は遠浅ではなく入って数メートルで急激に深くなります。そのため、永田いなか浜では遊泳はせず、浜辺を優雅にお散歩しましょう。
住所 熊毛郡屋久島町永田 駐車場あり約10台分 宮之浦港から車で約30分
●気軽にお散歩ヤクスギランド
屋久島で標高500mあたりから山頂にかけて自生する樹齢1000年以上のスギのことをヤクスギといいます。ヤクスギランドは標高1000~1300mに広がる自然休養林で、30分・50分・80分・150分・210分と5つのコースにわかれているため、ご自身の体力に合わせて散策ができます。なかでも30分と50分コースは整備された遊歩道があるためスニーカーでも十分に歩けます。途中の橋から眺める川、切り株から生えている苔や植物も綺麗なのでゆっくり散策するのがおすすめです。
住所 熊毛郡屋久島町安房太忠獄国 駐車場あり 宮之浦港から車で約60分
0997-42-3508(屋久島レクリエーションの森保護管理協議会)
森林環境整備推進協力金 高校生以上500円
ヤクスギランドから足を延ばして車で15分程進むと紀元杉があります。こちらは道路脇に階段と遊歩道があり、階段を数段下ればすぐ目の前に見ることができます。樹高は19.5m、胸高周囲8.1m、推定樹齢は3000年と言われ、写真にも収まらないほど大きいです。
●海に落ちるトローキの滝
日本には2つしかない海に落ちる滝の内の1つであるトローキの滝。天気の良い日は背景にモッチョム岳を見ることができ、周囲の岩が荒々しく海というよりは大きな湖のようにみえます。トローキの滝展望所へは「ぽん・たん館」というお土産屋からすぐ近くにあり約5分で行くことが出来ますが、途中展望所へ下る箇所が岩場になっているので、足元には十分にご注意ください。
「ぽん・たん館」は時期によってはドラゴンフルーツやスターフルーツ、ぽんかん、たんかんなど屋久島ならではの農産物が並び、雑貨もあるので見るだけでも楽しいです。
住所 熊毛郡屋久島町麦生 駐車場「ぽん・たん館」利用10台 宮之浦港から車で約40分
●巨大な花崗岩が織りなす千尋の滝
滝が流れ落ちる横の岩はコンクリートで固められたかのように見えますが、なんと巨大な一枚岩です。両手を広げた大きさを尋という単位で表したことから、一枚岩が千人の大人が両手を広げたほどの大きく見えた事から由来し、「千尋の滝」と名付けられました。こちらも「ちひろの滝」と読みたくなりますが、正しくは「せんぴろの滝」と読みます。雨の日に見学に行くと水量が増し、落差約60mの滝の迫力は何倍にもなります。また、第2展望所から見学することをお勧めします。駐車場から第1展望所までは歩いて5分程です。第2展望所へは階段が90段程続きますが、眺めは第1展望所より一枚岩がよく見え、滝の反対側は海を眺めることができるので是非とも行ってみてください。
住所 熊毛郡屋久島町原 駐車場あり30台 宮之浦港から車で約50分
●中間ガジュマル
屋久島の南西部の中間集落の真ん中にある中間ガジュマル。幹からは無数の気根が伸び、トンネルのように見える様子は普段観葉植物としてよく見るガジュマルと同じものとは思えません。
そしてこちらの樹齢はなんと約300年、実際に見てみるとその大きさに驚きます。駐車場からは歩いて5分程。集落の道を通るため、ガジュマルだけでなく、家の造りの違いを発見したり道端にパパイヤが成っていたりと現地の雰囲気をも楽しめます。
住所 鹿児島県熊毛郡屋久島町中間 宮之浦港から車で約70分
駐車場あり看板入口左手の空き地 普通車の場合ガジュマルの前まで車で行けます。
●落差88m!大川の滝
落差88m、島内最大の滝で「日本の滝100選」にも選ばれた大川の滝。屋久島は難解な漢字が多く、こちらは「おおかわの滝」と読みたくなりますが、「おおこの滝」と読みます。駐車場から平坦な道を5分も歩けば滝を目の前に見ることができ、滝からの水しぶきが道沿いにまで迫る滝の迫力には感動します。
住所 熊毛郡屋久島町粟生 駐車場あり5台 宮之浦港から車で約80分
●屋久島と言えばトビウオ料理
屋久島ではトビウオの漁獲量が多く、島内のお食事処でもよく目にします。トビウオは唐揚げやお刺身が一般的ですが、「定食屋・ぱすた かたぎりさん」ではトビウオのひつまぶしを食べることができます。もちろんトビウオ料理の他にも定食のご用意もあります。こちらのお店は人気店なので行く前にお電話で予約をしておくのをお勧めします。
住所 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房540-62 宮之浦港から車で約30分
電話番号0997-46-4282
定休日 土曜日(夜のみ) 日曜日
営業時間 月曜日〜金曜日 11:00~15:00(L.O.14:30)17:30~21:00(L.O.20:30)
土曜日(昼のみ営業) 11:00〜15:00(L.O.14:30)
●かたぎりさんのすぐお隣!武田館
屋久島に来たからには屋久島のお土産を買わずにはいられません。かたぎりさんのすぐお隣には武田館というお土産処があります。こちらには貴重なヤクスギの工芸品からお菓子のお土産等、多種多様なお土産が揃っています。また、併設している「YAKUSIMA BLESS」では屋久島の石鹸・お香・雑貨が並び、石鹼は実際にお試しをすることができます。店内は石鹼と木の香りが漂いとても素敵です。
住所 熊毛郡屋久島町安房650-18 駐車場 10台 宮之浦港から車で約30分
営業時間08:00~18:00
店休日 無休(1月1日休み)体験は日曜・月曜休み
屋久島は地図で見ても遠く、行きづらいと感じるかもしれませんが乗り物の予約さえしてしまえば思いのほか楽に行くことが出来ます。乗り物以外にも宿泊やお食事場所をしらべるのも難しいなという方は休暇村大阪センター主催の屋久島ツアーや休暇村指宿主催の屋久島ツアーを検討してみてください。休暇村スタッフが同行し、ご案内します!
その他、屋久島へ行く上で気を付けなければいけないのは、年間を通してほとんどの日が雨という屋久島へ無事に渡り帰宅出来るように天候を祈るのみです。
今回は楽に行ける屋久島の観光名所をご紹介しましたが、私もいつか縄文杉に会いに往復10時間かけて歩いてみたいなと思います。
皆様も是非人生に一度は屋久島の自然を体感してみてください。