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旅行記

2020.01.08

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【ネタバレ注意】休暇村に泊まって行く大塚国際美術館の楽しみ方

スタッフ:kurotaki

休暇村南淡路から鳴門海峡を隔ててすぐ。休暇村から車で40分。世界初の陶板名画美術館『大塚国際美術館』をご紹介します。
大塚国際美術館は、ポカリスエットでお馴染みの大塚グループの創業75周年記念事業として1998年に設立されました。 大阪に建設される構想もあったそうですが、国立公園の建築制限や建築コストが1.5倍になるなどのハードルはありましたが、創業の地にこだわり、地域への貢献を旨とし、この地でオープンすることとなったそうです。
世界最大級の常設スペース(29,412㎡)を誇り、各国を代表するおよそ190の美術館が所属している西洋絵画1,000点を、特殊技術を用いた陶板複製画で、忠実にしかも原寸大で再現しています。 すべてがコピーでありオリジナルが1点もありませんが、世界の名画が日本に居ながらにして鑑賞できる。 しかも、門外不出の作品、消失・復元による上書き、退色劣化、戦争での散逸など、もう見ることができない作品が原画が持つ本来の美術的価値を持って目の前にある。 こんな奇跡のような名画鑑賞ができるのは大塚国際美術館だけ。 そこには「若い画家を教育するに当たり、偉人たちが一枚の絵に込めた人生観を汲み取ってもらうため、世界の名画を一堂に集めて勉強させたい」というフランスの思想が具現化されています。 陶板画は劣化しないので、実際に触ってもよく、写真もOK。 世界のキュレーターが称賛し、年間38万人が訪れ、平成最後の紅白歌合戦の中継地となったことでさらに来場者は増えています。 日本で一番高い入場料ともいわれますが、これは一見の価値ありです。さあ、大塚国際美術館へ出掛けましょう!

マイカーでお越しの場合は、大塚国際美術館を通り過ぎ、海岸に出たら左折すると駐車場があります。 ここからエントランスまでは800m。 頻繁に運行しているシャトルバスを利用するのがよいでしょう。

道路標識の向こうに、大塚国際美術館が見えてきます。 左へ進むと鳴門公園口(岬の先端)方面です。 大鳴門矯遊歩道「渦の道」があり、渦上45mの海上散歩が楽しめます! 右に曲がると美術館方面です。

美術館の手前に、瓶浦神社が見えてくる。 奈良時代、調停に献上される瓶(かめ)を載せた船がこの地で転覆。 祀られた瓶(おかめ)様は、大海竜王神の化身であり、海上安全、豊漁、雨乞いに霊験があるそうです。

美術館へのアクセスは、大阪(なんば、梅田)、伊丹空港、三ノ宮方面からは本数は少ないですがダイレクトに、京都・東京からの長距離バスは高速鳴門のバス停で下車し、鳴門公園口行きの路線バス乗り継ぎです。

さていよいよ入場です。長いエスカレーターを上がると地下3階から展示はスタートです。

コイン返却式(100円)の荷物ロッカーあります。スーツケースが入る大型BOXもありました。

いきなり、米津玄師さんのLemonのジャケット画が目に飛び込みます。 ここから紅白は中継されたのです。 ほかにも、白鵬関の結婚式や、将棋の名人戦、歌舞伎などもシスティーナホールなどで行われており吃驚!

大塚国際美術館は、地下3層地上2階構造で、1Fエントランスだと思った場所は実はB3Fということになります。 山腹を利用して建築されているのです。 B3Fは古代~中世、B2Fはルネサンス、B1Fはバロック~近代、1・2Fは現代と、時代別に系統立てて展示が構成されています。 各階、がらっと雰囲気が変わるのがおもしろいですね。 さらに、環境展示(教会などの環境空間をそのまま再現)されていて、システィーナ礼拝堂などは本当にバチカン市国にいるような錯覚する抱きます。 もうひとつテーマ展示、訪れたときはゴッホのひまわりが7点並べて展示されていました。 画家の成長や精神状態、試行錯誤の様子が比較できるなんて、ほんとにほかの美術館ではありえないシチュエーション!

さて、鑑賞の仕方は様々ですが、おすすめなのは音声ガイドをレンタルしてみる、あるいは定時ガイドさん(ボランティアの方)にご案内いただき”人気作品ベスト10”の解説を聴きながら巡る、などがオススメです。 

システィーナ礼拝堂。 ミケランジェロの巨大な天井画。 旧約聖書の多くの物語が散りばめられており、キリストの右側が表す世界と左側の世界の違いなどなど、作品に秘められた作者の意図は観る者を圧倒します。

次に、フェルメールの作品。 日本未上陸作品も含め、これだけ並ぶのスゴい。

有名な「真珠の耳飾りの少女」、別の名を「青いターバンの少女」。 謎めいた少女、耳飾りはガラスとの説も。

レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」。 対面で修復前と修復後の画を同時展示。 両者の違いに驚かされます。

モネ「睡蓮」、屋外展示。 季節ごとに日差しがことなり、時間ごとに空の色が変わると、睡蓮の池の色もまた変わります。

ゴッホ”7つのヒマワリ”

世界各国の美術館が所蔵するヒマワリが一堂に会するなんて!

画像1

モナリザは、顔の左の口角が上がっていてシンメトリーが微妙に崩してあるので、右45度から見たときと、左45度から見たときで表情が違って見えます。 ムンク「叫び」、クリムト「接吻」!

現代には、こんなおちゃめな陶製のオブジェも!

ピカソ「ゲルニカ」、門外不出の作品!

ミレイ「オフィーリア」、シェイクスピアの悲劇のヒロイン、周囲の花にもちゃんと意味がありました!

額縁も原画を忠実に再生。 モナリザの額などは、いまルーブルにある額ではなく以前のものらしいです。

各所にはソファーやベンチが配置されています。 カフェやレストランもあります。 これだけ、世界の名画が勢ぞろいするとテンション上がりますが、総延長4kmあるので、休みながら鑑賞するのがよいでしょう。

夢のような大塚国際美術館を出ると、竜宮城のような大塚 潮騒荘 があります。 社員の方の保養所とゲストの迎賓館。

潮騒荘には、「内外の人心を失えば この建物は立ったまま倒れる 地震や火災によって倒れるものではない」という大塚グループのポリシーが碑となって建てられているそうです。 鳴門の良質な白砂を使い、試行錯誤の末に開発された特殊陶板は、高度成長期の超高層ビルの建材として経済発展に寄与することになりました。 そしていま、200年劣化しないと云われる陶板は、名画の保全・再生という役割をもって大塚国際美術館に集結し、わたしたちはそれを観ることができるのです。 陶板の製作には、原画を来日させるより高額な費用が投じられているといいます。

大塚国際美術館を後にしたら、すぐの千鳥が浜の駐車場にも寄っていきましょう。

大鳴門橋を眼前に眺められるこの場所には、伍代夏子さんのヒット曲「鳴門海峡」の歌碑が建てられています。 「髪が乱れる 裳裾が濡れる 風に鴎が ちぎれ飛ぶ~」 横にあるボタンを押すと大音響で歌が流れ出すのでビックリします。 目の前では鳴門わかめの養殖がされており、いままで世界の名画の中にどっぷりと浸っていた感覚からちょっとずつ現実世界に感覚を戻すのにちょうどいいかも知れません。 大塚国際美術館と大毛島、小鳴門エリアはガイドブックにあまり載っていない穴場が沢山あります。 休暇村南淡路に連泊して、中日に”大塚国際と鳴門ぶらり旅”に出かけてみてはいかがでしょうか。

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