エスコンフィールドだけじゃない！北広島市がすごい件

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2023.03.30

エスコンフィールドだけじゃない！北広島市がすごい件

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スタッフ名：阿久津

「マジ？」な町　THE AMBITIOUS CITY 北広島

札幌からＪＲ千歳線で約20分、新千歳空港までも20分と便利な立地にあり、今年日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」がオープンすることで話題を集めている北広島市。2022年度の地価上昇率が全国1位になりました。以前より札幌市のベッドタウン、また8つのゴルフ場を有するゴルフ銀座なのですが、あまり知られていません。でも、北海道開拓の歴史が詰まった「マジ？」な町なのです。今回は、北広島市の豊かな自然や歴史がギュッと詰まった博物館「エコミュージアムセンター知新の駅」を訪ねました。

写真：ES CON FIELD HOKKAIDO（エスコンフィールド北海道）のスタジアムには西洋芝の「ケンタッキーブルーグラス」が張られ、グローライトに照らされて育成中でした（2023.3.7）。

北広島の開祖　和田郁次郎（わだいくじろう）さん

北広島市は、その市名のとおり広島県からの入植者によって拓かれたことはよく知られていますが、礎となったゆかりの3偉人をご紹介します。
「和田郁二郎さん」
和田郁次郎さんは北海道拓殖を志した明治14(1881)年、先陣を切って渡道し、函館県知事が薦める入植地を数か所（道南：渡島・檜山あたり）検分しましたが、「めっちゃ風強そう、ここで農業はムリ！」と辞退しました。「開拓の成功は入植地の良し悪しだし！」と、その後何度もリサーチして見いだしたのが札幌群月寒（つきさっぷ）村、現在の北広島市です。そして道路の開削や小屋掛け、種の手配なども進めました。和田郁次郎さんは本格的な開拓を行ったとして、北広島の開祖となっています。

寒冷地稲作の父　中山久蔵（なかやまきゅうぞう）さん

中山久蔵さんは今で例えると大阪生まれの仙台育ち。蝦夷地警備を任せられていた仙台藩の片倉英馬に従事した後、北海道永住を決意しました。島松沢で開墾を始め、北海道では不可能とされた米作りに挑戦します。道南から取り寄せた寒さに強い「赤毛種」の種籾を植え、お風呂の湯水を苗代に入れるなど水温を調整して試行錯誤の上、立派な種籾の栽培に成功します。そして、希望者にはその技術と「赤毛種」の種籾を惜しげもなく無償提供するなど、北海道の農業に貢献しました。こうして受け継がれてきたのが、北海道米トップブランド、美味しい「ゆめぴりか」。中山久蔵さんは寒冷地稲作の父と呼ばれています。

市のフロンティア精神を築いたウィリアムスミスクラークさん

あのクラーク博士です。札幌農学校（現北海道大学）の教頭として教鞭を振るい、北海道の発展に貢献する人々を多数輩出しました。
約9か月という短い任期を満了したクラーク博士が、アメリカへの帰国の途中に立ち寄ったのが北広島市、札幌郡の堺におかれた駅邸所（「道の駅」のような場所）でした。そして、見送りの学生らとの別れ際に「Boys, be ambitious （like this old man!）」と叫んで馬に鞭を入れ立ち去ったと言われています。そう、「Boys、be ambitious」は、羊ヶ丘展望台ではなく、北広島市の旧島松駅邸所（旅館＋運輸＋郵便）で残した言葉だったのです！

写真中央：旧島松駅邸所（きゅうしままつえきていしょ）
　　　　　交通が不便な地に駅舎と人馬を備えて、旅人に宿泊と運送の便をはか
　　　　　るために設置された宿駅で、北海道に造られた独自のもの。
写真右：ウィリアム・スミス・クラーク博士の「少年よ、大志を抱け」の碑
写真提供：北広島市教育委員会

ゾウ化石の情報を発信地

他にも、北広島市は日本で唯一、古型のマンモスゾウとケナガマンモスゾウの化石が発見されているところで、現在、ゾウ化石に関して日本で最も新しく重要な情報を発信している町です。およそ４万５千年前に北広島市で生息していたケナガマンモスゾウを実物大で復元した「北広島マンモス復活プロジェクト」では、市内の小中高生や大学生など、のべ900人以上が参加してマンモスを完成させました。皆さんが制作した親子マンモスの模型なども展示しています。

写真右：たくさんの市民の方と共に制作した親子マンモスの模型
写真中央：キタヒロシマカイギュウのイメージ
写真左：手作りのキタヒロシマカイギュウ骨格模型

知られざる北広島市、いかがでしたか。
「エコミュージアムセンター知新の駅」…ちょっと地味なネーミングで、住宅地にひっそりと佇んでいますが中身の濃さは半端なく、北広島市に行ったら絶対訪ねて欲しい博物館です。そして無料です！