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観光

2022.08.20

【写真から涼しい気持ちになれる】海・湖・川!東北3つの遊覧船

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スタッフ名:福岡

夏も残暑に近づいていますが、いまだに大阪は連日の猛暑と熱中症警戒アラートで外出をするにも少し躊躇ってしまうような天気が続いています。「せっかくだし、どこかに出掛けたいけれど…」とお考えの方の為に、今回は【写真を見るだけでも涼しい気持ちになれる】海・湖・川の東北の3つの遊覧船をご紹介致します!
1 気仙沼遊覧船
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まずは内海を周る宮城県の≪気仙沼遊覧船≫をご紹介致します。
≪気仙沼遊覧船≫はフェリー会社である“大島汽船”が運航している遊覧船です。
“大島汽船”は元々離島である気仙沼大島と本土にある気仙沼港を繋ぐ定期航路と気仙沼大島発着の遊覧船の運航を行っておりましたが、2019年4月に気仙沼大島と本土を結ぶ橋がかかった事から定期航路は廃止となり、遊覧船の事業のみ継続して行う形になりました。
 
≪気仙沼遊覧船≫の航路は2つあり、1つは大島発着の内湾を一周して戻る約40分のコース、もう1つは気仙沼(本土)発着の約50分のコース。移動距離で10分の差がありますが、巡る観光スポットはほぼ変わりがありません。
 
営業は主に土・日曜日と祝日で、お盆の期間なども運航する場合がございます。大島発着便は1日6便、気仙沼発着便は1日5便の運航になります。
今回は気仙沼発着便に乗船。乗船時は日曜日だった事もあり、乗船場である“PIER7”(ピアセブン:旧気仙沼エースポート)は出店などで大勢の人たちで賑わっていました。乗船したのは「ファンタジー号」、定員300名の2階建の客船です。船内の1階・2階部分共に旅客 となっておりますが、2階には売店もあり航海中にアイスクリームや飲み物を楽しんだり「かっぱえびせん」を購入してうみねこに餌付けをする事も出来ます。
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(ちなみにウミネコはかもめと良く似ていますが、いずれも≪カモメ属»に分類される鳥です。簡単な見分け方として、かもめはクチバシが黄色で足の色も黄色っぽい個体が多く「クエー」と鳴くのに対し、ウミネコは黄色のクチバシの先端が赤く足の色もオレンジっぽい個体が多く「ミャーミャー」と猫に似た鳴き声をしているのが特徴です)
 
更には本年から気仙沼汽船が「御船印」の全国第66番社として認定され、気仙沼汽船でしか購入できない「御船印」も船内売店で販売しています。
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「御船印」とは神社仏閣巡りでは皆さんご存知の「御朱印」の船バージョン事。全国各地の船会社や海洋博物館が独自の印を発行しており、2022年8月現在では77社が参加・認定されています。
「御船印」は条件を満たすと“一等航海士”、“船長”などの称号を授与されます。気仙沼汽船のような観光船だけでなくカーフェリーでも「御船印」は購入できますので、船がお好きな方・良く乗船する方は集めてみてはいかがでしょうか?「御船印」の公式ホームページから参加社をご確認ください。
 
出航時は大きなドラ(!!)でお見送り。出航後は観光スポットを巡りながら、スタッフの方がマイクで説明をしてくださいます。館内放送ですので、スタッフさんの近くに居なくても大丈夫。好きなお座席でクルーズを楽しみながら解説もお楽しみください。「おかえりモネ」の撮影スポットや震災の時のお話、大島汽船の取り組み、「国際信号旗」という船舶の通信のために世界共通で使われる旗の事など、フェリーの中では様々な話を聞く事が出来ます。

御船印めぐりプロジェクト

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また、2019年4月17日に開通した東日本最長の「気仙沼大島大橋」も船上から見上げる事も出来るんです!海から橋を見上げるのはクルーズ船ならではの楽しみ方。爽やかな海風と気仙沼の観光をぜひお楽しみください。
※気仙沼大島発着場は“気仙沼大島ウェルカム・ターミナル”向かいの港から:休暇村気仙沼大島から車で約5分
※大島発着場は“PIER7(ピアセブン)気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ”:休暇村気仙沼大島から車で約15分

気仙沼ベイクルーズ 遊覧船

2 田沢湖遊覧船
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次は湖を遊覧する、秋田県にある「田沢湖遊覧船」をご紹介します。
 
田沢湖は秋田県仙北市に位置する淡水湖で、周囲約20キロメートルでほぼ円形をしています。
最大水深は423.4メートルで、日本一の深さを誇ります。(余談になりますが、湖の深さで日本2位は北海道にある支笏湖、3位は青森県・秋田県にまたがる十和田湖です)
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田沢湖といえば、なんと言ってもその美しい色を湛える湖の色が特徴。
田沢湖の色は透明度が高く、光線の具合で深い瑠璃色や翡翠色などにも変化します。この事から、世界遺産にも登録されたロシアのバイカル湖になぞらえて「日本のバイカル湖」と呼ばれる事も。
神秘的な雰囲気をたたえた湖は、四季折々に表情豊かに訪れる人々を楽しませてくれます。
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そしてもう一つ、田沢湖には「たつこ伝説」が存在します。
田沢湖にまつわる悲しい伝説で、湖畔には「たつこ伝説」にちなんだ黄金の像が建立されています。
 
“湖のほとりにあった神成村に辰子と呼ばれる娘が暮らしていた。
辰子は類い希な美しい娘であったが、その美貌に自ら気付いた日を境に、いつの日か衰えていくであろうその若さと美しさを何とか保ちたいと願うようになる。
辰子はその願いを胸に、村の背後の院内岳は大蔵観音に、百夜の願掛けをした。
必死の願いに観音が応え、山深い泉の在処を辰子に示した。そのお告げの通り泉の水を辰子は飲んだが、急に激しい喉の渇きを覚え、しかもいくら水を飲んでも渇きは激しくなるばかりであった。
狂奔する辰子の姿は、いつの間にか龍へと変化していった。自分の身に起こった報いを悟った辰子は、田沢湖に身を沈め、そこの主として暮らすようになった。
辰子の母は、山に入ったまま帰らない辰子の身を案じ、やがて湖の畔で辰子と対面を果たした。
辰子は変わらぬ姿で母を迎えたが、その実体は既に人ではなかった。
悲しむ母が、別れを告げる辰子を想って投げた松明が、水に入ると魚の姿をとった。
これが田沢湖のクニマスの始まりという。“
引用:Wikipedia
 
「田沢湖遊覧船」は、この「たつこ伝説」にちなんだ場所も巡ります。
発着場は田沢湖レストハウスのある白浜から出航し、たつこ像のある潟尻を通って戻る約40分のコース(白浜~潟尻~白浜)と、潟尻から乗船し白浜まで(約22分)もしくは白浜から潟尻まで(約16分)の片道コースがあります。運航期間は4月下旬〜11月上旬で一日4便運航。期間限定で増便する場合もございますので、発着時間をご確認の上御乗船ください。
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船内前方は客席、後方は立って湖の景色を楽しむことができるデッキになっております。
館内放送で名勝・御座石やたつこ像の説明を聞きながら、観光スポットでは写真撮影も可能。
特にたつこ像とのツーショット撮影はおすすめですよ!
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余談ですが、田沢湖レストハウスには秋田県名物“きりたんぽ“や“稲庭うどん“、“じゅんさい“や銘菓などお土産品の販売も行っておりますので田沢湖遊覧船にご乗船の際はぜひお立ち寄りください。
※休暇村乳頭温泉郷から白浜乗船場(田沢湖レストハウス)まで:車で約20分

田沢湖遊覧船 田沢湖・角館観光協会

3 最上川 芭蕉ライン 舟下り
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最後の3つ目は川下り。「最上川 芭蕉ライン 舟下り」をご紹介します。
場所は山形県、その名の通り最上川で運航している観光船で、“プロが選ぶ水上観光船30選“2022年度全国一位に選ばれています。
 
最上川は流域面積は7,040kmと言われ、総延長は約2,447km、河口の1番広い部分で約380mもある一級河川です。山形県全体の約76%の土地がその恩恵を受けており、県人口の約80%がそこに住んでいます。
また、最上川は「日本三大急流」としても知られています。
「日本三大急流」とは、日本の河川のうち特に流れの速いものに関する名数で熊本県の球磨川、静岡県の富士川、そして山形県の最上川を指します。
 
“奥の細道“でこの最上川を訪れた松尾芭蕉は、「五月雨を 集めて早し 最上川」と詠んでいます。
元々はこの句、「五月雨を 集めて涼し 最上川」と詠まれていましたが、その後「集めて早し」に変更されています。
この句が詠まれたのは6月の梅雨の時期であり、雨で増水した最上川の流れを体感した芭蕉がその激流を俳句に落とし込んだ事が分かります。
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とはいえ観光遊覧船ですので、急流下りのように流れの早いところを進んでいく船ではありません。技術を詰んだ船頭さんの操舵で、その日の川の流れを見て進んで参ります。航路の全てを覚えるのに、なんと7年はかかるとか。ちなみに船は電動式なので、川の流れに流されてしまう心配はありませんのでご安心を。
現在は「古口港(戸沢藩番所)〜草薙港(川の駅・最上峡草薙)」の航路で、1日3便運航しています。
周遊船ではないため一方通行になってしまいますが、乗船後は古口港まで送迎バスもございます。
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約12kmの距離を約1時間かけて、船頭さんの案内で最上川をゆっくりと下っていく「最上川川下り」。
春は春紅葉、夏は冴える緑と川のコントラスが美しく、秋は紅葉、冬はこたつ船を四季折々それぞれの景色を楽しむ事が出来ます。
もちろん、所々にある観光スポットも船の上からご覧いただけます。
源義経や松尾芭蕉の伝説の残る、船でしか行けない“外川神社(仙人堂)”や、「日本の滝100選」にも選ばれる“白糸の滝“など、見どころは充分。

最後は船頭さんの「最上川舟唄」で〆て観光は終了。この「最上川舟唄」も、ぜひ実際にお聴きになっていただきたい最上川舟下りの名物の一つです。
※休暇村庄内羽黒から古口港まで:車で約35分

最上川 芭蕉ライン 舟下り

今回は、見るだけでも涼しい気分になれる観光スポットをご紹介いたしました。
少しでも涼しい気持ちになって頂けたのであれば幸いです。
厳しい残暑が続きますが、熱中症にはお気をつけてお過ごしください。


※情報は2022年8月15日時点のものとなります。最新の情報はホームページ等でご確認ください