観光

2020.06.15

夕暮れとミツガシワ

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スタッフ名:中込

梅雨前線は今年も絶好調で連日雨が続く中、久しぶりに雨が上がったので、
昨日は周辺の自然状況を調べるべくお散歩をしてきました。

ツツジはここのところの寒さの為か今一歩といったところでしたが、
代わりに旬が終わるはずのミツガシワがまだ元気に花を咲かせていたので、
今回はそちらを取り上げようかと思います。
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ミツガシワは独立した科(ミツガシワ科)を持つ一属一種の水棲~半水生の植物。
氷河期時代にはすでに今と同じ姿をしていたようで、かなり古い種となります。
氷河期に適応したためか、亜寒帯や高山など、涼しいところを好むようです。
乗鞍高原においては湿地・池などに数多くの群生地がありますが、
これは気候条件のほかに捕食者であるニホンジカが乗鞍に居なかったことが
大きいようです。

しかし、「居なかった」と記した通り、最近ではニホンジカが全国的に増えすぎ、
山を食べ荒らしながらどんどんと勢力を広げています。
長野県においては、その影響ではげ山となった山も結構あるんですよ。
観光地だと車山高原のニッコウキスゲの食害が有名ですね。
乗鞍高原においても、10年前には見られなかったはずのニホンジカが
目撃されるようになり、地元の植生は食害の危機に晒されつつあります。

最近ニホンジカが都市部でも見られニュースになっておりましたが、
このまま鹿が増えるようであれば、1件2件程度の鹿の出没では
騒がれもしないようなことになります。
庭や畑を荒らす悪者のイメージも付くことでしょう。

元はといえば人間の入植や開発によって生態系が崩れたからこその問題。
過去のツケを未来に残さないようにするにはどうすればいいのだろうか。
落ちてゆく太陽を眺めながらそんなことを考える初夏の夕暮れでした。

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