今回は、魅力がたくさんあるきのくに線の駅についてご紹介いたします。
そもそも「きのくに線」とは、亀山駅から新宮駅を経て和歌山市駅に至る「紀勢本線」のうち、新宮、和歌山駅間につけられた愛称のことで、この区間だけでも約200キロ、54駅もあります。
そんなきのくに線の駅を一度に紹介することは難しいので、何回かに分けて紹介していこうと思います。
まずは第一弾として、休暇村南紀勝浦の最寄り駅である「宇久井駅」と、そのお隣の「那智駅」をご紹介いたします。
宇久井駅
宇久井駅は、那智勝浦町大字宇久井にある駅で、1日当たりの乗降客数は116人となっています。
普通列車のみが停車するローカルな駅となっています。
地名は「うぐい」ですが、駅名は「うくい」と読む少し特殊な駅となっています。
開業時は「うぐい」駅でしたが、途中で「うくい」に改称されたそうです。
駅舎内はとてもシンプルな造りになっており、ベンチがあるのみとなっています。
また、無人駅のため改札もなく、券売機すら置いていません。
ただ、そんな駅でもお手洗いは駅舎とは別の建物で設置されており、列車を待つ場合でも安心です。
ホームはカーブを描いており、西側はすぐ近くまで森が迫ってきています。
一方で東側は宇久井の町が広がっており、この宇久井駅は宇久井半島の付け根に位置しています。
跨線橋からの景色です。
いかにもローカル線の駅という雰囲気がありますね。
駅のすぐ目の前は国道42号が通っており、国道も線路と同様にカーブを描いています。
そして駅前の信号の交差点名を見るとローマ字で「Ugui Sta」となっており、うくいとうぐいが混在しているのがわかります。(そもそもなぜ駅名だけうくいなのかが謎です…)
宇久井駅の紹介は以上となります。
当館の最寄り駅ということ以外特に大きな特徴があるわけではありませんが、当館の送迎バスは宇久井駅発着のものもあるので、少しでも駅の雰囲気など利用される際の参考になれば幸いです。
那智駅
那智駅は那智勝浦町大字浜ノ宮にある駅で、1日当たりの乗降客数は60人となっています。
那智の滝や熊野那智大社などの那智山観光に最も近い駅となっていますが、玄関口としての機能は紀伊勝浦駅に集約されいているため、特急は通過してしまいます。
駅舎は熊野那智大社を模した社殿風の立派な外観となっており、いかにも観光拠点のような雰囲気を醸し出していますが、駅舎内に入るととてもひっそりとしていて、宇久井駅同様に改札や券売機のない無人駅となっています。
ここまで駅舎の外観と内観に差がある駅は珍しいのではないのでしょうか。
ちなみに駅舎は1936年に造られたとても歴史のある建物となっています。
ただ、そんなひっそりとした無人駅でも、一応観光地の近くではあるため駅舎内にコインロッカーがありました。
ホームは2面2線で、行き違い可能な駅となっています。
1984年までは東京と紀伊勝浦を結ぶ寝台特急が止まっていたこともあってか、普段は2両の短い普通列車しか止まらない駅でありながらとても長いホームを有しています。
ホームの端は普段一切使われていないため草に覆われてしまっています。
ホームを歩いているとくろしおのドア位置を示す案内らしきものがありました。
くろしおの停車駅になったことはないはずですが、臨時停車でもしていたのでしょうか…
ブログの写真を撮っていると偶然特急くろしおがやってきて、まさかの停車しました。
どうやらこの駅で行き違い待ちをするみたいです。
停車駅ではないのでドアは開きませんが、6両の特急が収まる長いホームは今でも活用されているみたいですね。
少しして対向の列車がやってくると、奇跡的にパンダくろしおが並ぶ瞬間を見ることができました!
パンダのデザインがとてもかわいいですね。
再びホームの散策をしていると193と書かれたキロポストがありました。
紀勢本線の全長が384.2キロであるため、長い紀勢本線の中間地点がこのあたりであるみたいです。
駅のすぐ裏側は、那智海水浴場(ブルービーチ那智)となっており、ホームからも砂浜を見ることができます。
駅のすぐ横にある地下道からビーチへ出てみました。
私が行ったときにはほかに誰も居なかったため広くてきれいなビーチを独り占めすることができました!
那智駅前には紀勢線建設を訴えかけた山口熊野の頌徳碑と、日本におけるサッカーの普及発展に尽力した中村覚之助の顕彰碑があります。
また、駅には道の駅「なち」が併設されており、農産物直売所や那智駅交流センター、町営温泉「丹敷の湯」があります。
そのため、こちらは車で来た方も一度訪れていただきたい駅(道の駅)となっています。
まとめ
今回はきのくに線の駅紹介第一弾として、「宇久井駅」と「那智駅」を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
このブログを通して普通列車しか止まらない普段は注目されないような駅にも魅力があるということをお伝えできればと思います。
電車で来られる方はもちろん、車で来られる方も一度寄ってみてはいかがでしょうか。
参照元 「和歌山県公共交通機関等資料集」