クリスマス目前! 贅沢な冬のいちご狩り徹底解説
冬から春にかけての美味しい果物、といえば『いちご』。
今年もそろそろ食べたいなぁ、とお店をのぞいても、現在あまり並んでいません。
そもそもがまだ旬の“走り”で収穫総量が少ない上、クリスマス直前でケーキ等への需要がうなぎ登りなので、店頭に出たとしても、1パック700~800円超などの高値がついています。
そんな高級な“クリスマスシーズンのいちご”ですら、好きなだけ食べ放題できる贅沢なアクティビティが、『いちご狩り』。
日照時間が長く、平均気温も高い愛知県渥美半島(田原市)では、早くももう一部の観光農園でいちご狩りが始まっています。
実は、冬のいちごと春のいちごでは、(需要や流通量による価格の違いだけでなく、)
味にも違いがある、というのはご存知でしょうか。
本日はワタクシが個人的にイチオシの、『冬のいちご』と『いちご狩り』について深掘りして参ります!
値段の高さにも納得! 味に深み『冬いちご』
いちごの味は、大きく「品種」と「栽培方法」に左右されますが、加えて影響が出るのが「季節」です。
同じ品種でも、冬のいちごは果肉硬め・味と甘さ濃いめ。
春のいちごは果肉柔らかめ・瑞々しさと爽やかさ増。 ……と、季節で違いが出るそうです。
[ざっくり解説]ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作物が収穫できるようになるまでに必要となる期間の、平均気温の合算を『積算温度』というのですが、
いちごの「受粉」から[成熟]までの積算温度は600℃程(品種で差異有)です。
温室の温度が平均20℃だった場合、積算温度の600℃までには「30日」かかります。
日照時間が短く外気温が低い冬の温室ですと(加温はするのですがそれでも)、平均15℃くらい、その場合積算温度600℃までには「40日」かかります。
つまり、冬のいちごは、暖かいシーズンのいちごよりじっくり長い時間をかけて育ったモノなのです。
寒い中でゆっくりゆっくり時間を贅沢に使って仕上がっただけあり、糖分も栄養もたっぷり貯蔵され、全体的に濃い味に仕上がるようです。組織もしっかり出来上がるのか、食感もやや硬めになります。
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機会がありましたら、冬と春、それぞれの良さを比較してみるために、それぞれ挑戦してみても楽しいと思います。
今なら特に見つけやすい?! でっかいぞ!『一番果』
冬のいちごのハウスではしばしば、「どう見てもサイズがおかしい、巨大が過ぎる」と慄く、手のひら大のいちごに出会えます。
そんなギガいちごが、冬いちごの代表格「一番果(頂果房)」や「二番果」。
寒い日々の中でゆっくりじっくりと栄養を詰め込みながら育った結果、お決まりのいちごフォルムに収まりきらず、巨大で、そしてしばしば迫力のある歪な形になります。
「大きいから大味」は当てはまらず、”巨大で甘い”になっていますので、是非探してみたい逸品です。
簡単にココで見分ける! ”熟した” 甘~~い粒を選ぼう!
「こちらのレーンでお好きにどうぞ」と農園で解き放たれると、いちご狩り初心者の方はその壮観な眺めに吞まれてしまうかもしれません。深緑の葉の間でキラキラと陽光を浴びて光っているいちごたちは、アラジンのランプが封印されていた地底の宝石樹も斯くや、といった感。
しかし落ち着いてよくご覧ください。普段スーパーで並んでいるような、上方に白さが残っているいちごはいけません、熟し中です。
普段いちごは、運搬と店舗販売を経てからお客様のもとへ行くので、それを見越して完熟手前のものを摘み、出荷されています。
店頭などで追熟され(赤みがついて)、食される形です。
しかしわざわざ農園まで出向いておりますこの「いちご狩り」では! 完熟手前のものを選択する必要がありません。もう、完璧に熟して甘味がのった粒を選びとりましょう。
完熟の判断方法は、"つぶつぶの色"!
いちごについているこのつぶつぶ。じつは本来コレらが、いちごの「実」です。中にタネが入っています。そして赤くて大きい、実だと思われている部分は、「花托」と呼ばれるめしべの土台。我々が美味しいと思って食べているのが「土台」…… 少々微妙な気分でございます。
いや、脱線しました、とにかくこのつぶつぶが、赤くなりましたら完熟、だそうです。
いちごの棚を見ていくとわかるのですが、ほとんど赤いいちご、はかなりあるのですが、その中でもつぶつぶが赤いいちご、となると結構数が減ります。赤いつぶつぶなんて、普段お店では見ないかもしれません。(いちごのイラストなどでも、大抵つぶつぶは黄色ですよね……)
完熟でなくても全体が赤ければ既に結構美味しくはあるのですが(甘味成分のうち「果糖」と「ブドウ糖」はMAXに蓄積済のため)、完熟すればより甘くなり、糖度も3~5度上がるそうです。
これは、甘味成分の一つである「ショ糖」の蓄積が遅く、いちごの色づき頃から始まり、完熟頃にようやくMAXになるため。
特に紅ほっぺ や さちのか といった品種は、含有糖類に「ショ糖」が占める割合が約50%と大きいため、「完熟に近いかどうか」が甘味に及ぼす影響が大きい品種です。 紅いやつで! 是非狙っていってください。
(ごく一部の品種でつぶが赤くならないものがありますが、大抵のいちごはこのつぶでの見分け方でいけますb)
いちごは、熟しすぎて採り時を過ぎてしまうと甘さがトンでしまいますので、頑張って育ったいちごのためにも是非、美味しいうちに発見して食べてあげてください。
ブサイクこそ至宝。ボーナスいちごを見つけよう!
いちご狩りの際、「できるだけきれいに整った形のを探そうっと……♪」と思うのは人の性でございましょう。
しかし! こと、いちご狩りに於かれましては、是非、血眼で、『ブサイク』をお探しください。
普段お店では見かけないような、変な形のいちごを「鶏冠果(けいかんか)」というのですが、規格外の爪はじきだなんて甘く見てはいけません、とッてッもッ!! 美味しいいちごなんです。(前述の「一番果」などはコレになりがち。)
どうして甘いのか? 下に図説します!
いちごは、葡萄などと一緒で、実の先端が一番甘味が強くなります。
ヘタ近くと先端とでは、糖度が5度近く変わってしまうなんてことも。
となれば、「先端部分の体積が大きい」いちごが、すなわち甘いいちご、となります。
上の図のうち、"甘味が強め”の赤色体積が、一番小さいのはどれで、一番大きのはどれでしょうか。
……そう、もうお分かりですね、
おなじみの、三角推フォルムのいちご、ではないヤツ! たちが、特段甘いスペシャルいちごなのでございます。(内緒で、そぉっと、粛々と、探してみましょう……!)
こちらも 一見「ふつう」、でもよく見ると違う、「甘いちご」
ブサイクな「鶏冠果」は、ちょっと見当たらない……。
そんな時は、今度はヘタ付近にご注目ください。
・ヘタが反りあがっている …糖度が高いことがやや多い
・ヘタ近くの果実が首みたいに伸びている(上に向かって狭まっている) …糖度が高いことがとても多い
・ヘタ付近の果実が白く少々裂けている …糖度が高いことがとても多い
上記3つが、三角錐フォルムのいちごの中でも「特に甘いいちご」の特徴だそうです。
本当にそんなに違うものか? 食べ比べてみるのも面白いかもしれません。
ヘタ除去時注意! ぜひ摂取しておきたい、ヘタ周り果肉
よーし制限時間いっぱい、沢山食べるぞ!と意気込んで、急ぐあまりにヘタを手荒くちぎってしまうこともある、かもしれません。
しかしお気をつけて。そのヘタの周辺、実はとても大事部分なのです。
いちごはそもそも、「8粒食べるだけで1日分の必要ビタミンCが補える」と言われるくらいにビタミンCが豊富な果物です。そんなビタミンCをはじめとした栄養が多く存在しているのが、ナントこの、へたの近く付近らしいのです。(ヘタ近くが酸っぱめなのはまさか、そんなビタミンC由来だったり……?)
貴重なビタミンの摂取機会。ヘタだけを外して、果肉はちゃんと全部摂取したいところです。
【一番楽で】いちごを美味しく食べる小ワザ【一番効く】
さて、ここまで色々といちごの選び方などをご紹介して参りましたが、基本的で大事なことがございます。
いちごの、食べ方です。
スペシャルいちごを探すのは宝探しのようで大変楽しく、また、来場者が少ない12月のうちなら、スペシャルいちごたちだけでもお腹いっぱいになるくらい発見できたりもする、かもしれません。
しかし、スペシャルいちごたちはあくまで、スペシャルな存在。
そうそう沢山はなく、また、それを探すのに時間をかけすぎて制限時間がおしてしまうようなら逆に勿体ないことにもなってきます。できましたらいちご、1~2分に1個くらいは、食べたいところです……。
「ふつう」のいちごでも十分充分、美味しいです! 鮮度100%は担保されておりますし。
そしてより美味しく食べる小ワザとして有名なのが、「いちごはヘタ側から食べる」というもの。
前述しましたように、いちごの甘味はヘタ側より先端の方が強くなっています。
美味しそう! と先端をかじって、その後でヘタ側を食べると、最初が甘いだけにより深く、後味の酸味が際立ってしまいます。
逆で行きましょう。そうすると、次のいちごを探している間も、甘く香りの強い後味が口の中をふわふわとしてくれます。
早速、いちご狩りに行こう!
休暇村から車で約10分、『お陽様農園』も、12月から営業している観光農園の一つ。
近くて行きやすい上、休暇村では提携プラン(いちご狩りチケット付きの宿泊プラン)もご用意しております。
絶品の冬いちごを堪能しに、訪れてみてはいかがでしょうか。
お陽様農園公式HP
いちご狩り園チケット付きの宿泊プランはこちら!
お時間が許す方には、年末年始や冬休みの混雑が始まってしまう前の平日の悠々としたいちご狩りがオススメです。
また、それが無理な場合でも。
皆様のウィンターシーズンのご旅行や、もっと先の春のご旅行の際、
今回の豆知識が少しでも、楽しいいちご狩りタイムのお役に立ちましたら幸いです。
皆様のお越しを、お待ちしております。