季節限定・初夏の味覚『ベビーコーン』、収穫期到来!
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スタッフ名:筒井
畑のまち、渥美半島に初夏が来た!
ということで御多分に漏れず、『とうもろこし畑』に囲まれている、休暇村伊良湖です。
近くの畑の苗はまだ背丈も低く、中心から小さな穂がのぞき始めたかな、といったところですが、一部の畑では早くも収穫を迎えているところもあるそうです。
とはいえ多くの畑では、とうもろこしの収穫シーズンは6月中旬~7月上旬ころ。
現在は、とうもろこしの摘果(てっか)の季節。
つまり、とうもろこしの赤ちゃんである「ベビーコーン」(ヤングコーン)の収穫期! です。
ベビーコーン、別名、ヤングコーン。
とうもろこしの産地以外では、あまり知られていない野菜かもしれません。
皆様にもなじみ深そうなところで申し上げますと、中華丼やあんかけラーメンに入っている、黄色っぽくて細長い、タケノコの親戚みたいな顔をしたやつ。アレでございます。
(上画像、左が調理したベビーコーン。右が、道の駅などで販売されている時の、皮付きの姿。)
水煮にしたものは一年中出回っていますが、
実は生のアレは、この5月下旬~6月中旬くらいのごくわずかな期間にしか収穫できず、しかも大抵は産地周辺にしか出回らないという、大変レアな食材。
このあたりでは初夏の風物詩の一つでもある、季節の味覚なのです。
旬の味、ということで、今年も入手しました「ベビーコーン」!
ちなみにこの「ベビーコーン」というのは、とうもろこしの品種名ではありません。”とうもろこしの赤ちゃん”の総称です。
(上の画像をご覧ください、小さくても形はもうすでに立派にトウモロコシです!)
とうもろこしは、サトウキビのような太めの茎に、雌穂(トウモロコシ部分)がおおよそ3つできます。
一番大きくなり、粒もたくさんつくのは大抵一番上の穂。下の穂は雄花からの花粉を受粉しにくいので小さくなる傾向が高いようです。
そこで、”一番大きくなりそうな穂”以外の穂を小さい内に摘み取ってしまい、一つのとうもろこしに栄養や糖度を集中させ、美味しく大きくしよう!という狙いで行われるのが「摘果(てっか)」。まだとうもろこしになりきらない赤ちゃんもろこしたちを間引いてしまう作業です。
大きく育つ前にもがれてしまったこの赤ちゃんたち、それでもお野菜として立派においしいので、このシーズン、付近の道の駅やスーパーなどで限定的に販売されています。
(当館売店でも、ここ数日入荷がありまして、販売しておりました! 入荷があり次第また販売いたしますね♪)
ベビーコーン、大人のとうもろこしたち同様に鮮度がおいしさに直結するため、あまり遠方まで運ばれていくことはありません(運搬に時間をかけると味が落ちてしまうため)。「とうもろこしの産地」に「初夏のごく一部の期間」に行くことでしか多分味わうことのできない、特別なお野菜なのです。(今お流行の激甘スイートコーンたちのベビーコーンは、朝採りして間もない鮮度の高い状態なら生でも食べられるとか……!)
包丁も不要! 簡単調理、ベビーコーン。
そんなこんなで知名度が低めのベビーコーン。
「どうやって食べれば……?」と、初めてのお野菜に戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。
正直、
無 問 題 です! ほぼほぼトウモロコシと変わりません。
上画像、左から、
①②まず皮を取ります。
親指にちょっとだけ力を入れて腹のあたりの皮を破り、ベリッっと剥ぐ。これだけです。
③山積み、に見えたベビーコーンたちですが、皮を取り去ると中身はこのくらいでした。
④……不器用だと、ちょっと失敗したりもします。(上画像、左から4つめ)
た、大勢に影響はありまえsん。(動揺
⑤食べない下の茎の部分も取ってしまいます。残ったこちらが、すべて可食部です。
丁度キャンプ・BBQシーズンですからね!
このままBBQグリルで焼いて、お肉なんかと一緒に食べるのも良いでしょう。とうもろこし(大人)より焼きやすいです。
アウトドア調理でない場合は、やっぱり「煮る」が簡単です!
お鍋に、下味をつけるための少々のお塩と一緒にベビーコーンを入れて、茹でること3・4分 ……料理っぽく言っていますが、正直なところ鍋に入れて放置しただけです。
ホッカホカの『ゆでベビーコーン』、完成。
後はマヨネーズにディップして食べるだけです。
(私はマヨネーズにさらに一味唐辛子を入れる派。)
「焼く」、も捨てがたい!
縁日の屋台なんかで食べる焼きもろこしって、おいしいですよね。
この子たちもベビーとはいえコーンですので、焼いて醤油で食べるのもやっぱりおいしいのです。
大人トウモロコシには甘みでちょっと勝てない分、バターで風味付けして炒めてしまいましょう。
最後の方にちょいっと醤油も垂らして完成です。
ゆでベビーコーンの味チェンジに是非、「バター醤油焼き」もどうぞ!
初夏の美味が他にもいっぱい! 渥美旅へ出かけましょう♪
四季があるため、季節ごとにおいしい食材が移ろっていく、日本。
我々、年季が入ってきた人間的には、初夏もあと何度迎えることができるか分かりませんからね…… 今年も旬の美味しいものをたくさん楽しみたいところ。
マスクメロン、露地メロン、摘果メロン、
上り鰹、岩ガキ、ワタリガニ、あわび、サザエ、ハモと、
初夏のおいしいものがいっぱいの伊良湖岬へ、ぜひお出かけください。
(今ならきっと、当館売店や道の駅でベビーコーンもGetできます!)
休暇村伊良湖の宿泊プラン一覧はこちら♪
今日の Study:とうもろこしの「絹糸」
ベビーコーンを剥き剥きするときにまとわりついて少々邪魔なのが、とうもろこしのヒゲ的なモノ。
この糸状のものはシルク(絹糸)なんて呼ばれていまして、トウモロコシの茎の一番上につく『雄花』からの花粉粒を受ける器官なんだそうです。
この絹糸、とうもろこしの1粒に1本、ついていて、元々は1000本以上あるそうです。
理論的には、これが全部受粉できれば1000粒のとうもろこしになるのですが、とうもろこしは『風媒花』。風に花粉を運んでもらうというなかなかに運まかせな受粉方法である上、自家受粉しない(自分の茎の雄花の花粉では、自分の茎の雌花が受粉しない)ので、わざと密集して植えている”畑のとうもろこし”であっても、受粉するのは600粒くらいのようです。
(1モロコシ≒600粒 ←トウモロコシの「実」はこの粒のことを指すらしい…)
しかも、雄花から飛散した花粉粒が受精能力をもっているのはたったの20分くらいなのだとか。
その短時間でちゃんととうもろこしを作るため(受粉できなかった絹糸の先の粒は、成長せずになくなっていくのです)、雄花が頑張って飛ばす花粉粒の数は1,000,000コ超、とのこと。
マンボウみたいな生存戦略ですね。
ベビーコーン中のこの絹糸、私は速攻捨ててしまいましたが、
実は食材にもなるんだそうです! (取っておけば良かった…………‼)
おひたし、天ぷら、お味噌汁など、おいしそうな食べ方が色々ありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクから見てみてください。
ベビーコーンのひげ料理検索