グルメ

2023.06.20

500円、 でした… 。

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スタッフ名:筒井

初夏の味覚・ワタリガニ登場。 え、お安すぎでは……???

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ここ伊良湖岬では、6月くらいから店頭に登場し始める”渡り蟹(ワタリガニ)”。
標準和名「ガザミ」「タイワンガザミ」「イシガニ」など、ワタリガニ科の蟹の『総称』でして、海をひらひら~と泳ぐ際に活躍するミニうちわのような第5脚(爪から一番遠いところの脚)が特徴的なカニさんたちです。
(イシガニ以外は甲羅が左右にツノのようにとんがっていて、そこも”ワタリガニ”らしさの一つ。)

このワタリガニ、愛知県が全国の漁獲量1位※ を誇る大変大変美味なカニなんです(※”ワタリガニ”の中でもメイン的な種類「ガザミ」についての数値)。

先日、そんな初夏グルメに破格のお値段で出会ってしまったので、全国のワタリガニファンの皆様にお知らせしなくては! とご報告でございます。


   
というわけで今回もご紹介いたしますのは
伊良湖で海産物を買うならココ!

そう、お馴染み『伊良湖港お魚いちば直売所』です。

『伊良湖港お魚いちば直売所』は、伊良湖岬にある「渥美魚市場」直営店。渥美魚市場は早朝ではなく昼に"競り"をするので、競り落とされたばかりの超新鮮魚介類が購入できたりする新名所です。

←競りの様子
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店内では季節の様々な海の幸が販売されていまして、この日も大きな岩ガキや身の厚いチダイなど、ああ~6月だなぁ、と初夏を感じるラインナップ。(ん…? 一皿500円?? 「皿」??? 「匹」…ですよね????)


そんな中に、今回は何やら普段見慣れないオレンジ色が。

 
あ・・・ あなたは…… !
大盛焼きそば風にみっちみちに詰まってますけどワタリガニ様?!
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――――タイワンガザミ。
台湾から輸入したカニ、というわけではなく、台湾などあったかい方の海にいる蟹、という意味で”タイワン”がついているそうで、ガザミもタイワンガザミも伊良湖近辺に生息しています。
(北海道~九州と広く分布するガザミですが、あたたかくないとダメなタイワンガザミは北国の方は見たことがないかも。)

お値段はガザミよりタイワンガザミの方がお安め。
私はどちらも、サイズも味も変わらないと思うのですが、より沢山とれるから安いのでしょうか。それにしたって。500円??
手に乗りきらない大サイズの美味な「カニ」が、税抜きとはいえ”ワンコイン”とは。円が急騰でもしましたでしょうか。
数年前、当館で初夏や秋にワタリガニ(ガザミ)付きのお食事グレードアッププランをご用意していた時は、蒸し蟹1匹分プラスするのに2000円~3000円くらいしていたような気がするのですが?

未だにお問い合わせを寄せてくださったりしているワタリガニファン様方が、こんなお値打ち価格で並んでいるのを知ったら、喜びのあまり予約も入れずに今日泊まりに来てしまうかもしれません。 まあ大変。



  

というわけで… 

買 い ま し た 。

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500円が、嬉しくて、
大きいのも、嬉しくて、
蒸して(ゆでて?)くれてあったのも嬉しくて、

いっぱい撮りました。
  
わー でっかい。
わー 太ましい。
外骨格ぱつんぱつん。
わー イケメン。
わー きも…

カニなので、歩脚、5対10本もあるものね…
(このおなかの形は♀)

でもまぁ重要なのは「中身」です。
ずっしり重くは感じるけれど、丁度捕獲タイミングが悪くて身がスカスカだったりすることもあり得てしまうのが「カニ」。

お安かったですし、
中身があんまりなかったとしても美味しいお出汁が出るのでお味噌汁とかでガラを再利用すればいいかな、
でもできればいっぱい入ってて欲しい、などとせせこましい欲を滲ませながら、いざ尋常に……


 
甲羅OPEN!!!!
※下に出てくるのは食べかけ画像ではございません、汚くはございませんのでご安心ください。


左から1枚目が、甲羅をガパッと外したところ。カニを食べる、というセレブな行為に慣れていなかったためキレイな取り方になりませんでした、すみません。
もう、何が何やらわからない(←貧乏人の感想)。蟹図説を見て確かめてみますに、わたくしeyesにはおお、美味しそうな身! に見えていた左右の白い部分は全部、エラ(食べられない)。…外します。
少し覗いているカニミソ(脳ミソではなくヒトで言うところの肝臓など)とオレンジ色(内子。メスにある卵巣)に期待が高まります。

エラを外してもやっぱり不可解なカニの内部。ということで今度は縦に、えいっと割ってみることにします。強度的には板チョコ2枚重ねといったところでしょうか、包丁なしでも頑張れる感じ。
割れたところが、2枚目の画像。
"珍味"内子が……! 美味で珍重される内子が……! 驚くくらいに詰まっています。

3枚目 え? 内子厚すぎるのでは? ママさんカニ、もうほとんど卵巣で出来ていらっしゃる????
これで個としての機能は問題なかったのだろうかと心配なくらいに内子。ワタリガニのチャームポイントであるトンガリ(画像4枚目)の中まで内子ぎっしりです。

5枚目 反対サイドの脚部分。ワタリガニの身(肉)はこの第5脚の根本が最も美味とされます(他の蟹と違って爪や腕のお肉は少なめ。)。ヒラヒラ泳ぐ脚を支えてきたマッスルは非常に滋味深~~いのです。
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このワタリガニ(ガザミも、タイワンガザミも)、伊良湖近辺でのシーズンは梅雨(今くらい)から。産卵のため岸に近寄ってくるので沢山とれるようになります。真夏の暑い時期に一旦見なくなって、また9月くらいに店頭に並びます。

世間では「ワタリガニの旬は寒い時期」などと言われるのですが、これはメスが春に産卵期を控えて卵巣(=内子)を発達させるため。となれば多分美味しいのだろうと思うのですが、なにぶん冬のワタリガニは越冬のため深いところに潜ってしまうので、漁獲が全然ありません。出回らない、ので口に入りません…。

なので、メスのオススメは出回り始めの今。
4~9月の間メスは体格により2~4回産卵するそうなので、その間
 内子少 → 内子増→ 内子から外子へ → 外子も放出 → を繰り返しています。
流通する際最も高価なのは「内子増」の状態なので、その状態の個体に当たるとよりラッキー感があります。また、内子ほどの人気はありませんが、外子(完全にもう卵)もプチプチした食感があって面白いです。


え、入手したのがオスでした?
あぁ~~~~……、
……おめでとうございます、それもバッチリ、アタリでございます。

ワタリガニの「身」、他の蟹に負けないくらい(というかそれよりずっと?)甘くて美味しいんです。
今回の画像でもお判りいただけますように、メスは卵や卵巣にスペースを取られていますので、相対的に肉部分が少ないです。
極上のカニマッスルをたっぷり堪能できるのはオスならでは。当館のお客様でも「メス当たれ、メス当たれ…… ><!」としている方もいらっしゃれば、「オス来い、オス来い…… ><! 」と祈っている方もいらしたものです(お懐かしい)。

そんなオスのイチオシは9月のもの。夏は、途中脱皮をして身が痩せてしまったりするので、その後また身がミッチリと締まる秋がお得感たっぷりなのだそうです。

 
そんなワタリガニを堪能しに……

渥美半島先端・伊良湖岬をめざそう!


まぁ、海のものでございますので、
今日のいちば直売所に何があるとも限りませんし、いつもあるとも限りません、が、
きっと何か季節のスペシャルなものには出会えるものと思います。

「ガザミ」とか「タイワンガザミ」ですとか、渥美付近ですと「紫ガニ」ですとか。様々なお店の札やラベルに見慣れない名称を見つけても怯えないでください。それらは実はお馴染みの「渡り蟹」様と近縁種たちでございます(どれも美味しいです)! 是非試してみてくださいね。


名産のマスクメロンの収穫体験なども始まっております。
美味しいものを食べに、この時期渥美の『岬旅』に、出かけませんか?

 

宿泊プラン、色々あります! 休暇村ページ

伊良湖港お魚いちば直売所 定休日 火曜・水曜定休
※時化で船が出なかった日は鮮魚の入荷が止まるそうです

■お隣・いちば食堂も火曜・水曜定休
■渥美魚市場(見学可)は火曜・土曜定休
営業時間 10:00~16:00
※当日水揚げされた魚のお刺身は13時半頃から店頭に並ぶそうです
※鮮魚のアイテム数が最も多いのも競り後の14時近く位だろうかとのこと

■いちば食堂は11:00~15:00
TEL 0531-35-6731
国道259号を伊良湖岬に向かって走っていると赤い大きい看板がでてくるのでそこを右折、です。
ちなみに、他のお魚も市場価格。
アイ…?
アイとは何だろう、と書くと哲学的な響きがありますが、岩礁にいるアイゴのことのようです。
脂がのっていて最高でしたのに、2度見必至の200円。 などなど。

市場や直売所の最新情報が分かるTwitterページ

刺身ラインナップと価格帯が分かりやすいインスタページ

▼色々突き詰めたくなってきた方向け

俄然興味がわいてきた! もっとワタリガニを調べる

画像で見てみる ガザミとタイワンガザミ

続・アイとは何だろう(勉強になる~)

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