文化庁「100年フード」に認定された山形の郷土料理
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スタッフ名:加藤 加巳
5月5日の端午の節句にお供えする山形の郷土料理「笹巻き」
山形の味・郷土の味として、これから旬を迎える「笹巻き」
「笹巻き」は、浸水後に水切りしたもち米を笹の葉で巻き、結びひもをかけた後、熱湯でゆで上げた食べ物です。ほかの県では「ちまき」とも呼ばれています。笹の葉には防腐性や抗菌性があるといわれていて、昔から保存食や携帯食の包装によく使われる材料でした。
山形県では、年越しや正月のほか、祭りや祝い事など、年間を通してよく餅をついて食べる習慣があります。こうした餅文化は米どころであればそう珍しくはないが、もち米を粒のまま使用する「笹巻き」や、鶴岡市の南部でつくられているような灰汁水で煮る「笹巻き」は珍しい郷土食として知られています。灰汁水で煮る「笹巻き」は、戊辰戦争をきっかけに保存食として伝わったという説があります。
鶴岡市で作られる笹巻は、水に木灰を加えて煮た上澄み液である「灰汁(あく)」に、もち米を浸漬してから煮て作られることが特徴です。強アルカリ性を示す灰汁のはたらきにより、黄色くゼリー状の、独特な風味を持つ笹巻ができあがります。また、灰汁を使わず白色にできあがる笹巻よりも日持ちするようになります。笹巻の作り手の間では、「笹巻の良し悪しは灰汁しだい」と言われ、笹巻文化における灰汁の存在感を示しています。
2023年3月、鶴岡市の笹巻は文化庁の「100年フード」に認定されました。
100年フードとは、我が国の多様な食文化の継承、振興への機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を文化庁が認定しているものです。
「笹巻き」は、特に5月5日の端午の節句に供えられ、子どもの健康と元気な成長を願い、「柏餅」などとともに各家庭で食べられてきました。
春になると、スーパーで目にする機会が増え、手軽に購入も出来ますが、やはり手間暇かけられて作られた物なので、金額は割高です。
私が幼少期の時は、5月の節句になると、祖母が手作りした「笹巻き」を毎年、当たり前のように食べていたものですが、大人になり、「笹巻き」を食べる機会がめっきり減り食べたいなぁと思うもののなかなか購入するまでにはいかず・・・
山形の代表する郷土料理の一つでもある「笹巻き」
手間暇がかかる「笹巻作り」の為、作り手も減少する中、それでもこの先代々受け継がれていって欲しい山形の郷土料理の一つです。
笹の葉を三角の筒状にした時にもち米が下にこぼれないようにきっちり包むことがコツの様ですが、一つ一つ手作業で繊細かつ難しい笹巻作りはそう簡単にはいかなそうです。難易度★★★★★