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2022.01.27

だいせん登山道の最新情報~厳冬期の大山~

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スタッフ名:久保昌之

1月25日(火)の大山夏山登山道の最新情報をお知らせ

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午前10時の大山寺の天候
うす曇 気温2℃ 微風

午後1時の山頂の天候
ガス後晴れ 気温マイナス3℃ 微風
 
暦の上での「大寒」を過ぎ、
これから「款冬華(ふきのはなさく)」
を迎えるころですが、まだまだ大山では
これからが冬本番になります。
春はまだ遠し…。
 
雪が少ない年であれば、
20日頃からまとまった積雪がありますが、
今年は例年通りの雪が降り、
登山道もそれなりに埋まってきました。
 
よく「山頂付近の積雪は?」
と聞かれますが、標高が高くなるにつれて
積雪量が増えるものではありません。
風の強い場所、稜線とか頂上台地などは
1mほどですし、吹き溜まりには
3mから4mは溜まっています。
特に6合目避難小屋付近では
西からと東からの風がぶつかり、
尾根が出来るので、
トレースに従って登っていると
避難小屋を通り過ぎてしまうことがあります。
また6合目から上は
特に元谷方面に雪庇が出来ます。
積雪の少ない年でも
8合沢から別山沢にかけての
元谷側は大きな雪庇が出来ますので、
くれぐれも近づかないでください。
 
良くあるパターンは、
天候のいい時に北壁を画像に
写そうと雪庇と気がつかないで
元谷側に行ってしまうことです。
私たちが青ポールを立てていますので、
決してそのルートから
外れないようにしてください。
 
この青ポールは大山では
20年ぐらい前からお馴染みになりましたが、
登るための目印ではありません。
曲がり角や急斜面ではやや密に、
直線ルートではやや遠めに立てていますが、

「次のポールが見えないと
   そこで引き返してください。」

という目安で立てています。
 
もう少し密にという意見もありますが、
ガスっていて、吹雪いて地吹雪などでは
わずか2mほど前を登る登山者が
見えなくなることがあります。
そうなるともう登ってはいけないレベルなんです。
 
登ってもいいかどうかという
判断基準と同時にルートを外れないようにという
目印の意味があります。

自分のミスでしたが、
何年か前に下山途中に9合目から
8合目に向かう途中で
前が見えなくなるほど
氷の粒が足元から吹き上げ、
いきなり足元がフッと消えてしまいました。
落ちながら頭の中で
「どこかわからないけど落ちてるな」と気がつき、
すぐに滑落停止の姿勢をとりましたが、
それでも20mぐらいは落ちてました。
上り返してわかりましたが、
別山沢を落ちていました。
自分は右利きなので、
無意識にルートより右に進んでいたと思います。
この時は新雪の下に氷の層があり、
そこにうまくピックが
食いついてくれたので助かりましたが、
まさか自分がという慢心があったと思います。
 
厳冬期の大山においては、
想定外のことが起こりえるのです。
生半可な装備と知識では
とうてい太刀打ちできないことをご理解ください。
 
装備は持っているけど、
使い方がわからないのでYoutubeで
勉強したなんてのは論外です。
 
「山は楽しく」登るものであり、
決して命を掛ける場所ではないし、
度胸試しの場所でもありません。
絶対に無理をしないように楽しみましょう。
 
また今日は山頂付近で
面白い現象が見られました。(画像参照)
新雪の上に登山者が
歩いた足跡が浮き出ています。
その時の日射量、積雪状況、
気温等の気象条件によりますが、
登山者が気温がやや高い時に
新雪の上を歩いた所が固められて、
翌日に軽い新雪が降ったために
周りの雪が飛ばされて
残ったのではないかと推測されます。
この説がが正しいかどうかわかりませんので、
ご存知の方がおられたらご連絡ください。

また全国各地の山の現在の様子など
「山と渓谷社」のHP
ヤマケイオンライン
https://www.yamakei-online.com/
をご覧ください。
また無料の会員登録をすると
大山付近に関しては
過去10年間程度の同時期の情報を
閲覧することができます。

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