午前9時の大山寺の天候
快晴 気温1℃ 無風
お昼12時のユートピアの天候
快晴 気温2℃ 微風
3月23日が「春分の日」で
昼夜の長さがほぼ同じ頃です。
この頃を境に昼の時間が長くなってきますが、
登山においてはやはり下山の
予定時刻には余裕を持って行動しましょう。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、
下界での話であって、
山の中ではまだまだ寒い日が続きます。
特に今の時期は朝、昼、夜と
積雪の状態がすべて変わってきます。
晴れていれば朝はツルツルで昼には緩んで、
夕方からまた締まってくるという
変化にはお気をつけください。
今年は例年になく積雪が少なく、
夏山登山道と同じ状況で
ユートピア方面も宝珠尾根で
登山道が露出している箇所があります。
治山道路から下宝珠越までは
残雪がありますが、およそ6割程度です。
下宝珠越から中宝珠越までも
同じく6割程度の残雪ですが、
中宝珠越から日陰の急坂の部分は
アイスバーンになっている箇所があります。
上宝珠越から剣谷のトラバース部分、
さらにユートピア小屋下部の稜線まで
残雪が多いですがミックス状態が続きますので、
アイゼンを履くかどうか悩むところだと思います。
基本は
「危なそうだと思う前にアイゼンを履く」
ですが、
残雪が消えている場所も所々ありますので、
登山道を傷めないようコマめにアイゼンの
脱着をするのがベストです。
しかし実際はアイゼンを履いたまま
歩いてしまうのが最近の傾向です。
登山道が痛むと同時にアイゼンも
痛んでポイントが丸くなってしまう。
すなわち何ひとつ良いことはありません。
となると、ここでピッケルの出番です。
ピッケルの役目は基本は3点あります。
「バランス保持」、
「滑落停止」、
「足場を作る」です。
ピッケルのブレードの部分で
傾斜部分に足場を作り、
そこにカッティングで足を置きます。
同時にスピッツェでバランスをとりながら
次の足場を作るの繰り返しです。
ほとんどの登山者の方が
真新しいピッケルを
杖代わりに使われています。
広義で間違いではないですが、
バランスをとることを意識して
正しい使い方をしてください。
くれぐれも
「豚に真珠」、「猫に小判」
とならないように正しい知識と技術を
学んでください。
ネットで動画をみて雪山に登れるほど
甘いものではありません。
アイゼンはもちろん
『12本爪』をお持ちください。
トラバースする斜面が多いために
6本とか8本では役に立ちません。
ちなみにトラバースする場所も
正しい技術をもって歩かないと滑落します。
登山というのは楽しいスポーツですが、
同時に危険も伴います。
他のスポーツ同様に慎重で
経験豊富な人と登れば、
格段に技術は向上します。
特に冬の大山においては
無理は絶対に禁物です。
安全に楽しく登ってください。