ブログ

2023.04.28

磐梯山のカタチ ~ 見る方向で全く変わる火山の形の秘密

2,124 view

スタッフ名:高梨

画像1
 磐梯山は、基本的に富士山型の成層火山ですが、見る方向により山の形が全く変わります。まずはご覧ください。
 東より(↑上の写真:猪苗代町樋ノ口より 2023.4.25撮影)

 ↓ 次は南東よりです。(猪苗代町志田浜より)
 
画像1
↓ そして次が南西よりです。(磐梯町更科より)
画像1
↓ そして最後、北からです。(北塩原村桧原湖より)
画像1
 富士山のような円すい形の火山の場合、どの方向から見ても同様な形に見えます。(南東からの宝永火口と、西からの大沢崩れのみが、富士山の形に特有のアクセントを付けています)

 磐梯山の場合、上記写真のようにそれぞれ形が違うのは、部分的に富士山型(コニーデ型)が崩れているからで、その原因はこれまでの火山活動で何度も「山体崩壊」を起こしているからです。
 
 今回は、何度も起きたその磐梯山の「山体崩壊」をご紹介することになります。

 まず始めに、北側からの磐梯山をご覧ください。
↓左写真(水色の線;今は亡き小磐梯の山体の概要)
 
 壮絶な崖は、1888年の明治の磐梯山噴火による水蒸気爆発で大規模な山体崩壊が起き、小磐梯(標高1750m位だった)が岩なだれとなって崩れ去った後に残った崩壊カルデラ壁です。
 上を北にした地図では深いU字型をしております。明治の噴火後、大きな火山活動がないので、今も崩壊カルデラ壁があんぐりと口を開け、火山の内部を見せています。
 
 この時の岩なだれが、休暇村付近をはじめ裏磐梯地区を広く覆い、477人の命を奪い多くの湖沼群と起伏の多い岩だらけの大地を形成しています。


 次は、南西側からの磐梯山です。ここにも巨大な山体崩壊のあとが隠れています。
↓左写真(桃色線;新しい大磐梯の山容 オレンジ色線;崩壊壁)
 
 ただし崩壊壁内部に新たに成層火山が成長してカルデラをほとんど埋めました。それが現在の磐梯山(大磐梯)の最高峰です。
 こちらの山体崩壊は約5万年前のできごとで、当時の崩壊壁が右の赤埴山と左の日向沢西側斜面です。
 この時の山体崩壊は一層大きな規模で、岩なだれは会津盆地内の会津若松市河東町まで確認されており、その堰き止めにより猪苗代湖が誕生したと調べられています。


  そして東からの磐梯山。
↓左写真(桃色線;スプーンカット 緑線;扇状地状地形)
 
 この方向からは、左より赤埴山、大磐梯、櫛ケ峰の、磐梯火山のすべての峰が見えます。
 そして赤埴山と櫛ケ峰の間に、大きくスプーンカットされた凹面(琵琶沢カルデラ)が見えます。この地形も山体崩壊による地形と考えられますが、山麓に岩なだれの堆積地形がありません。

 代わりに大きな扇状地のような地形が広がっています。琵琶沢カルデラは、山体崩壊~岩なだれ発生といった火山活動とは違う、時間をかけて崩壊~堆積が進んだ結果なのかもしれません。

 またこの写真で、雪をいだいた大磐梯の東面は、この大きな凹面よりさらに奥の崩壊壁であり、また別の山体崩壊があったらしいです。
 以上、東面はまだ専門家の研究解明はまだ十分にされておりません。
 
 このように磐梯山は、少なくとも2回以上、おそらく4回程度の山体崩壊を起こしている火山です。山体崩壊は、火山活動の中でも最も発生頻度が低いものですが、起きると麓に劇的な影響を残します。
 
 休暇村裏磐梯は、明治21年に起きたその劇的影響の現場に立地しているのです。

 

MORE

スタッフ

Staff blog

PAGE TOP