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2022.08.06

高山のお花畑の秘密??

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スタッフ名:高梨

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 今、東北の山々のお花畑はクライマックス!この世の天国か極楽浄土かのような世界が広がっております。
 なぜ高山には「お花畑」と呼ばれる世界が広がっているのか、ここで説明するのは、これから東北の山々を訪ねようか思案される読者の皆様には少し時期が過ぎてしまいますが、来年の夏以降や後学のために、今回のブログに記しておきます。
 (要するに先週私が行った月山のお花畑が素晴らしく、書かずにはいられないのです!)
1,稜線直下のようす。遠くにコバイケイソウとニッコウキスゲ。足元は小さな花々・・・
2,足元の小さな花、イワカガミ、チングルマ、アオノツガザクラ
3,さらにミヤマリンドウ
4,そしてウメバチソウ
 「お花畑」とは、人間がある目的のため色とりどりの花を栽培している土地を指す印象がありますが、高山のお花畑は、自然の植生として多くの花々が見られるようなところです。花がよく目につき実際多くの花が見られるのには、いくつか理由があります。

① 標高が高くて風が強くかつ雪が多いため、樹木(木本)が育たず、結果、草(草本)が多いため花がよく目立つため。
② 7~8月の短い時期に、春~夏~秋の花が一気に咲いてしまうため。
③ 高山植物は、植物全体の大きさに比して、花が大きく目立つため。
 
だいたい以上の3つが主な理由でしょう。
 
5,コバイケイソウの群落
6,コバイケイソウの拡大
7,稜線から見下ろしたお花畑の環境。あちこちに残雪があります。
8,お花畑のメンバーのうち、背の高いグループ。ニッコウキスゲ、コバイケイソウ
9,小さな花のメンバー、キンコウカ
10,そしてヨツバシオガマ
11,イワカガミ。これ実はほぼ春一番の花です。
12,アオノツガザクラ。実はこれ、草本でなく木本、つまり木です。とてもかわいい花!

  • 上の①~③の理由は、次のようなことによるようです・

    ①の標高では、森林限界よりさらに高い所で、東北の山々は1500~2000mm以上の山頂や稜線付近です。これは北に行くほど標高が下がり、北海道礼文島などは海岸からお花畑が広がります。

    ②の花期ですが、一般に花は、春から夏は長日性植物、夏から秋は短日性植物で、一日の昼の長さの変化により順々に開花が進むといわれますが、標高が高くなるほど春は遅く、秋は早くなります。ゆえに高山では、長い冬が終わると、ようやく春の花が咲き始めたら続いて夏の花も咲きだし、春の花がまだ残るうちに秋の花も咲き始める、といった具合で、短い期間に次々と百花繚乱の世界が展開されます。

    ③の花の大きさは、限られた開花期に厳しい環境でも効率よく受粉・受精がなされ子孫を確実に残せるように、下界の同種の植物に比べ、昆虫などの目に付きやすいように花が大きくなっているようです。また高山は紫外線が強いため花の色も濃くなりようです。
13,バラ科のチングルマ。これも木本で、高山性矮小灌木です。
14,チングルマの実の綿毛。花が咲いた後にしばらくしてから綿毛が伸びるのですが、雪が解けたばかりの所では花盛り、雪がなくなって久しい所は実となるのです。
15,ハクサンフウロ。ゲンノショウコの仲間で「風露草」です。私の特に好きな花。
16,ヒナザクラ。サクラソウ(プリメーラ)の仲間ですが、高さわずが10㎝以内!
  •  かくして東北の山に7月前後に登ると、数限りない花々に出会え、天国の花園に遊ぶような心地になります。特に、残雪の多い山だと、解けた雪の周りから即早春が始まり、いろいろな季節の進み具合の違うステージがあちらこちらに展開されます。
17,ウサギギク 高さ20㎝位のヒマワリを縮小コピーしたような花です。
18,イワイチョウ 名前は岩ですが、湿原にやや多い花です。
19,アカモノ。ツツジ科の小低木で、釣鐘状の花は7㎜ぐらい。とてもかわいい。
20,ミヤマウスユキソウ。月山のエーデルワイスは、ひときわ美しい。ヨーロッパアルプスのより美しいかも。
 雪の多い山は、鳥海山、月山、朝日連峰、飯豊連峰などの日本海側の山、そして奥羽山地では、八甲田、秋田駒ケ岳、岩手山、栗駒山、蔵王山、吾妻山などです。(飯豊と朝日は手ごわい山です!)
 7月29日に行ってきた月山では、まだスキーの練習をしている人もいたほどでした。月山本峰から南の姥が岳への稜線の東側は、北アルプスのカール地形の中のように残雪と水と花が豊富で魅力的な場所でした。
 

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21,お花畑で交尾するキアゲハのペア。
22,アキノキリンソウ。名の通り秋の花で、お花畑の最後のグループ、他と同時に咲いていました。
  •  月山から一番近い休暇村は、裏磐梯でなく庄内羽黒です。東北の名山は、火山が多く入山が容易で日帰り登山が可能です。東北においでになるのでしたら、2~3山をはしごするのも効率的でしょう。我が磐梯山は新しい火山なのでお花畑はイマイチ、でも火山地形と眺望が見事な山です。特徴の違う山をいくつか、休暇村乳頭温泉郷から秋田駒ケ岳、休暇村庄内羽黒から月山、休暇村岩手網張温泉から岩手山~裏岩手縦走、休暇村陸中宮古から早池峰山(この山、雪は多くないが特異な地質岩石のため珍しい高山植物が多い)、休暇村裏磐梯から磐梯山の5山ハシゴなんて、チョーお薦めです!
     秋の紅葉シーズンでは、休暇村気仙沼大島から栗駒山、休暇村裏磐梯から安達太良山と裏磐梯湖沼群ですねっ!
 
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    23,上は、稜線から見下ろしたお花畑!(北アルプスなどによく見られる氷河地形のカールのよく似た地形で、残雪と水と花のパラダイスです。)


    ※ 表紙と20、21のみ2020年8月5日撮影。それ以外はすべて2022年7月29日撮影です。

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