火の山の伝説に浸る!
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スタッフ名:高梨
皆さんこんにちは。今日は磐梯山と火山の伝説の話です。
夜空を焦がす真っ赤な溶岩が流れ出たり、真っ黒い火山灰が空高く噴き出したりする火山活動は、科学が身近でなかった昔の人々には、大変な驚異・脅威と映ったことでしょう。
そのため、火山のある地域には、竜・大蛇・魔物などが登場する火の山の伝説が伝わっていたりします。
(上の写真:順に、1986年 伊豆大島三原山 溶岩流
2014年 御嶽山 水蒸気爆発
2012年 桜島 マグマ噴火と火山雷
1929年 北海道駒ケ岳 火砕流噴火 )
今は穏やかでも、磐梯山にも、「足長手長」と呼ばれる夫婦の魔物が住むとの伝説があります。
(上の写真;翁島地区ー南側ーから見た磐梯山)
地元に伝わる民話の一節によると、磐梯山の「足長手長」は、「磐梯山と高田の明神ケ岳に長い足でまたがってそこら中の雲を集めるので、会津地方にはお天道様が出る日がながった」とか「磐梯山に座って長い手で猪苗代湖の水をすくい、ざあっとばらまいたりするので、いつも日が照らず霧に包まれ、農作物はほとんど取れなかった」といった具合の悪事を働いていたとのことです。
(上の写真;手長足長の地元の民話集の中の挿絵)
ここで火山オタクでもある私は、この民話を初めて聞いた折、はたと閃きました。「これは磐梯山の火山活動の噴煙だ!」と。磐梯山から噴煙が長く水平に延びたさまが足長手長の妖怪に見えたのです。実際、江戸時代に磐梯山は時々噴煙を上げていたとの記録が地元に残っております。
つまり「足長手長」は、こんな感じ・・・。
(高梨による磐梯山の足長手長のスケッチーお恥ずかしい絵ですが)
結局、足長手長は弘法大師さまに退治され、磐梯山頂に「磐梯明神」として鎮座して世の中を見守っている、とのことです。
(写真;磐梯山頂の磐梯明神)
さて皆さん、噴煙活動うんぬんの真偽はさておき、磐梯山に登った際は、山頂の「磐梯明神」に注目ください。弘法大師によってミニサイズになり壺に収められた足長手長が、今も山頂の石碑の下に埋められているのです!?
また、「手長足長」の民話をはじめ、磐梯山のこと、火山のことを知るうえで格好の施設が『磐梯山噴火記念館』です。休暇村裏磐梯から車で約3分です。訪ねてみてください。
磐梯山噴火記念館
〒 969-2701 福島県耶麻郡北塩原村桧原字剣ヶ峯1093-36
TEL.0241-32-2888 FAX .0241-32-3281
HP http://www.bandaimuse.jp/
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